課題と解決策を見出せる
優秀な人材を社会に送り出していきます

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保健医療学部長池田 智子教授

大学は学問を創生する場である

かつてナイチンゲールはクリミア戦争の傷病兵を観察し、死亡に関するデータを収集して時系列に層別化解析をすることで、「ほとんどの死因が衛生環境の悪さにあり、予防可能だった」ことを突き止めました。そして自ら考えたケアを実践し、傷病兵の死亡数を激減させました。これが現在の看護学の基礎となり、同時に英米を中心に統計学の礎としても広く認識されるようになりました。
 今、私たちの身のまわりに戦争はありませんが、生活習慣病や、介護、育児、仕事などのストレスがあり、かつてはそのような日常的悩みの受け皿となっていた家族・地域の機能は弱体化しています。現代の人々の健康を守るにはどうしたらよいのでしょうか。
 世の中はこのように常に変化し、未知の課題に直面します。高校までの勉強は、あらかじめ問題が与えられ、正しい方法で解けば唯一の正解に辿り着けたかもしれません。でも社会はそうは行きません。そもそも何が問題なのか、まだ気づかれていない新たな問題も含め、真相を明確化するところから始め、新しい解決法を開発しなければなりません。正解はひとつではないことや、正解かどうかさえわからないことも多いのが現実社会です。
 大学は、各分野の専門研究者が教員となり、教科書にも未掲載の最新知見も紹介しながら、皆さんとともに議論し、学問を創生して行く場であり、時代がどんなに進んでもその作業に終わりはありません。共に学び合い、未知の課題に立ち向かいましょう!

失敗をおそれず自発的に努力する

ではどうすれば、真に社会に貢献できる専門家になれるのでしょうか。大学ではまず、基盤理論や、統計・観察法・看護技術などの基礎知識をしっかり身につけます。しかし基礎知識だけでは、時代のニーズに応えられる専門家にはなれません。開発力や実践力、そして同業者あるいは多職種と連携できるバランス感覚、対象者に合わせた応用力なども必要です。教科書を一生懸命丸暗記するだけでは、これらの力は育ちません。
 大学では、これまで会ったことのない多彩な教職員や仲間とたくさん出会えることでしょう。ですから、サークル活動やボランティア活動などにも積極的に取り組み、多くの人々と語り合い、共同作業をし、本もたくさん読み、大学生活の全てを通して、人格を陶冶してください。勉強でも種々活動でも、失敗をおそれず、自発的に努力できることが何よりも重要です。努力していろいろなことに挑戦をすると「自分」のことがよくわかってきます。大学では是非、今まで知らなかった「新たな自分」を見つけてください。

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地域貢献

本学は幸手市との連携で、市民を対象とした健康状態の測定会や効果的な運動の指導、市民講座の開催などを行っており、幸手市民が健康に生活できるようなさまざまな働きかけをしてきました。これらの活動を通して、市民自らが健康について考え、生活を見直す機会をつくっていくことが、地域を守ることにもつながっていくと考えているからです。
 本学で学んだ皆さんは、地域を「みて」「つなぎ」「うごかす」力も発揮し、何歳になっても人がその人らしく成長していけるような、健康なまちづくりに貢献できる専門家として、大きく羽ばたいていくことを願っています。

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