理学療法士に必要な資格とは?具体的な仕事内容と働ける職場を紹介
- 理学療法士
怪我や病気などで身体が不自由な患者さんの運動機能の回復・維持などのサポートを行なう理学療法士は、国民が豊かな生活をおくるために必要不可欠な職業となっています。
実際に医療施設などで理学療法士にお世話になった方はその頼もしさに憧れ、「いつか自分も理学療法士になりたい」という気持ちが芽生えることもあるでしょう。
皆さんは、理学療法士に必要な資格や職場での仕事内容をどこまで知っていますか?
この記事では、理学療法士を目指す方に知っていただきたい理学療法士に必要な資格や具体的な仕事内容、働ける職場について詳しくご紹介していきます。
目次
理学療法士に必要な資格と取得方法
まずは、理学療法士になるために必要な資格と取得方法、そして2020年から過去5年にわたる国家試験の合格率をご紹介します。
理学療法士とは?
理学療法士は、人間の基本動作能力を知り尽くしているプロフェッショナルであり、医療施設や介護施設などで活躍しています。
日常生活で不自由が生じている身体の障害を持つ患者さんに対して、専門知識と技術を用いて適切な処置を行ない、患者さんごとに治療・訓練・援助を計画的に実行していきます。
理学療法を目指す場合は、教育施設で人間の身体のつくりや基本動作を学ぶことから始め、最終的に医療施設や介護施設に勤めて患者さんのリハビリや運動の指導を行なうことになります。
資格取得には国家試験合格が必要
現場に出て理学療法士として患者さんを助けるためには、国家試験の合格が必須です。そこで注意しなければならないのが、国家試験の受験資格です。
自宅で独学しただけでは国家試験を受ける資格を得ることはできないため、文部科学大臣が指定する養成校の規定カリキュラムを修了しなければなりません。
理学療法士を目指せる学校について
文部科学大臣が指定する養成校は大学・短大・専門学校に分けられます。
養成校は250校以上あるため選択に迷ってしまいますが、最も理学療法士に関する知識とスキルを身につけられる期間が長いのが4年制の大学となります。
大学では基礎医学から運動器・神経系・小児・介護予防・内部障害に関する専門的な知識まで幅広く学べるため、実践的なスキルをしっかり習得した状態で就職先を探すことが可能です。
養成校で専門知識とスキルを身につけて卒業することで初めて理学療法士国家試験の受験資格が得られ、国家試験に合格をすることで晴れて免許を取得して理学療法士になることができます。
理学療法士国家試験の合格率【2020年まで】
理学療法士国家試験は毎年2月に実施されています。注目していただきたいのがその合格率です。
以下は、2020年に実施された第55回理学療法士国家試験の過去5回にわたる新卒受験者数と合格率になります。
実施 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
第55回 | 10,749人 | 10,019人 | 93.2% |
第54回 | 10,608人 | 9,845人 | 92.8% |
第53回 | 11,033人 | 9,679人 | 87.7% |
第52回 | 10,721人 | 10,319人 | 96.3% |
第51回 | 10,562人 | 8,662人 | 82.0% |
※上記は新卒受験者の情報となります。
毎年新卒受験者の8割以上の合格者を出しており、2020年に関しては93.2%と非常に高い合格率が報告されています。
理学療法士になる道を進むことを考えていた人にとっては、この高い合格率は資格取得への大きな希望となるでしょう。
理学療法士の具体的な仕事内容と治療方法
養成校で必須カリキュラムを修了し、国家試験に合格したあとはいよいよ現場で仕事に就くことになります。
ここからは、理学療法士の具体的な仕事内容や治療方法についてご紹介していきます。
運動療法について
理学療法士が患者さんに対して行なう治療は主に2種類に分けられ、その1つが運動療法となります。
運動療法は、日常生活での行動や運動をするための筋肉や関節の動きの改善・回復を目的としたもので、最初は問診で患者さんの症状を把握することから始まります。
症状を把握した後は、観察や評価を経て症状を改善するための課題を洗い出し、患者さんに合った治療が行なわれます。
治療後はリハビリの効果を確かめるための再評価が行なわれ、今後の治療方針が再び固められていきます。
運動療法は治療以外の簡易的な自主トレーニングがメニューに組まれることもあり、正しい動作でトレーニングができるように理学療法士が指導をします。
日常生活で支障のない動作や運動ができるように身体づくりをサポートし、回復から維持まで管理することが理学療法士の仕事の基本となります。
物理療法について
物理療法はその名の通り物理的手段を用いた治療法で、以下のような医療器具が使用されています。
低周波装置 | 温熱・低周波・レーザーが集約された装置で、肩こり・関節痛・神経痛などに効果がある。 |
---|---|
温熱治療 | 熱・電磁波・超音波などの力を利用したもので、循環・疼痛・リラクゼーション効果を与える。 |
牽引 | 椎間板や椎間関節に効果があり、伸張作用・弛緩作用によるマッサージ効果が与えられる。 |
ウォーターベッド | 水圧で全身をマッサージして、患部の回復効果とリラクゼーション効果を与える。 |
キセノン | 肩こり・筋肉痛・神経痛・血行促進などの修復に効果がある。 |
キネシス | 筋肉トレーニング・体幹トレーニングに活用できる多機能フィットネスマシン。 |
施設によってさまざまな器具が活用されていますが、電気治療・水治療法・温熱療法・光線療法・マッサージの4種類が主になります。
全ての器具の取り扱い方法を覚えるのはもちろんのこと、患者さんの状態に適した治療なのかを見極める目利きも必要とされます。
理学療法士が働ける職場と役割
最後に、理学療法士が働ける代表的な職場と役割を紹介していきます。
将来プランを計画する上で理学療法士が持つ可能性を知っておくことはとても大事なので、しっかり把握しておきましょう。
医療施設
怪我や病気による運動機能の回復を望む患者さんがいる医療施設の勤務先の選択肢はとても豊富で、理学療法士の就職先の中でも最も多いとされています。
【理学療法士が働ける主な医療施設】
- 一般病院
- 大学病院
- 精神科病院
- リハビリ専門病院
勤務先が変わるともちろん仕事内容も変わってきます。個人病院などのクリニックでは、整形外科に通う患者さんに対して運動療法や物理療法を用いたリバビリを行ない、診療科目が複数ある総合病院では、心臓外科や脳神経外科などに通う疾患を持つ患者さんに合わせた適切なプランで治療が行なわれます。
理学療法士の仕事のメインは運動能力の改善となりますが、がんや肺炎などを患った長期入院中の患者さんに対して体力を維持するための訓練を行なったり、生活習慣疾患を持つ患者さんに対して健康を維持するための運動の指導を行なったりします。
怪我や病気によって気を落としてしまっている患者さんも多いため、悩みの相談に乗ったり励ましたりするなどのコミュニケーション力も理学療法士のひとつの大事な仕事といえます。
高齢者向け施設
医療施設以外の職場で代表されるのが、高齢者向けの介護老人保健施設(老健)などになります。
理学療法士の業務は、高齢者の健康促進や体力維持を目的としたリハビリがメインとなり、転ばないで自分の力で歩けるか、真っ直ぐ歩けるかなどを慎重に確認をしながら運動能力の回復や維持をサポートします。
また、高齢者向け施設ではパワーリハビリテーションという運動機器を用いたリハビリも実施されています。
老健の場合、通所・訪問リハビリを兼務することもあり、老健以外の事務所を利用する高齢者をサポートする機会もあります。
施設によっては人員配置の取り決まりがあり、医師や看護職員に加えて理学療法士や栄養士などが各所に配置されています。
入居者100名に対して理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の資格を持ついずれか1名以上を配置しなければならないため、大きな老健で働きたい場合は理学療法士の資格を取得しておくことが最低条件となります。
福祉施設
理学療法士の活躍の場は社会福祉施設にもあり、障害者福祉センターや障害者入所施設、学校の特別支援学級などでも理学療法士の専門知識とスキルが役立っています。
身体障害を持つ入居者に対して日常生活の自立や就労のサポートを行ない、施設によっては福祉用具の選定など特有の業務もあります。
また、レクリエーションを通して入居者の感情表現の発達をサポートするなど、常日頃から入居者の状態変化を記録する観察力も求められます。
保健所・保健センター
保健所や保険センターでは基本的なリハビリに加えて、難病対策のためのリハビリ教室の開催や指導をするなどの他の施設にはない業務があります。
リハビリ以外の業務も幅広くこなしたいという方は、保健所・保健センターが良い勤務先の選択肢となります。
このように、理学療法士といっても職場や環境の違いによって業務の種類や比重も変わってくるため、養成校に通っている時点で将来を見据えておくことをおすすめします。
まとめ
理学療法士に必要な資格や具体的な仕事内容、働ける職場についてご紹介しました。
人間の基本動作能力のプロフェッショナルである理学療法士は、医療施設・介護老人保健施設・障害者福祉センター・保健所など幅広い活躍の場が用意されています。
理学療法士の資格は、国に指定された養成校のカリキュラムを修了して国家試験に合格することで得ることができ、多くの学生が養成校選びに悩むことになります。
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