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理学療法士になるために中学生からできることとは?勉強法や進路など解説

  • 理学療法士

中学生という早い段階で理学療法士を目指すことを決めた学生さんはきっと、何か特別なきっかけがあったのだと思います。

ご家族が病気やケガで入院し、リハビリの指導を受けているのを見たり、体育の授業や部活などのスポーツをする場面で、ケガやケガ予防のための指導を受ける機会があったり。

不安を抱える様々な場面で、理学療法士はとても親切で頼もしく見えたのでしょう。

そんな理学療法士になるために、中学生のうちからできることを、分かりやすく解説します。

理学療法士とは

きっかけとして理学療法士の一部を見かけたことがあったとしても、実はもっと幅広く活躍できるのが理学療法士です。

ここではそんな理学療法士について、詳しくご紹介します。

理学療法士は国家資格

理学療法士は、国家試験に合格して初めて仕事ができる国家資格です。

一定の条件をクリアして受験資格を得る必要があり、独学や、足りない学歴で受験することはできません。

そして理学療法士の国家資格を取ると、病院や介護施設などで働く上で社会的地位が保証され、職場や利用者さん・患者さんからも信頼を得て仕事をすることができます。

理学療法士はリハビリのスペシャリスト

障がいや障がいの発生が予測される人に対して、病気・ケガなど原因を問わず、医師の指示の元でリハビリ治療を行うのが理学療法士の仕事です。

機能回復や維持、または悪化を防ぐことを目指して、理学療法士ができる治療は、運動療法や、温熱・水・電気などの物理療法など、多種多様です。

リハビリとは、人の身体の基本をしっかり学んでいる理学療法士だからこそできる、薬を使わない治療です。

活躍できる分野は7つ

理学療法士が活躍できる分野は医療機関を始め、実は7つもあるのです。

理学療法士を将来の仕事として考えているのであれば、今思いつく理学療法士の役割の他に、どんな仕事があるのか理解した上で、目指す理学療法士の道を探しましょう。

医療機関

理学療法士の約80%が総合病院や整形外科などの医療機関で活躍しています。

身体機能の低下の原因は問わないので、ケガの他にも、呼吸器や循環器、中枢神経疾患など内科的な病気が原因となる場合も、理学療法士のリハビリの対象となります。

また、集中治療室に入院になるような急性期や、症状が落ち着いた在宅での生活期、余命を過ごす終末期に至るまで、機能低下のきっかけがあった時点から最期の時まで、長い時間を患者さん・利用者さんと共に歩くのが、医療機関で働く理学療法士の役割です。

入所・通所施設

高齢者施設には入所・通所を問わず、必ずと言っていい程、理学療法士がリハビリ指導をしています。

入居者さんに対してはなるべく離床時間を延ばすため、通所利用者さんに対しては自宅でできるだけ自立した生活を送れるよう、ご本人様やご家族の希望を聞き取り、最適なリハビリ計画を立てます。

また、ご自宅を訪問して生活環境を把握し、必要な整備や介護器具などの提案をするのも、通所が困難な高齢者を訪問リハビリで指導するのも、高齢者に対して行う理学療法士の仕事のひとつです。

福祉施設

福祉施設で暮らす心身障がい者の方は、医療機関に病気やケガで入院している患者さんに比べ、病状や状態が急激に変化することがあまりないので、生活する上での運動機能の維持や向上を目的としたリハビリを行うのが、理学療法士の役割です。

障がい者の方に関しては、装具を使うことで日常生活が向上することもあるので、最適な装具の選定も行います。

また、障害による痛みや麻痺を緩和するリハビリや物理療法を行ったり、必要であれば床ずれ予防のための体位交換などを行うこともあります。

行政機関

国や地方の行政機関で、介護福祉課・福祉政策課・健康推進課など、健康や介護福祉などに関係のある部署において、理学療法士の知識が役立てられます。

また、保健所や市町村保健センターなどでは、健康相談や講座といった地域に密着した活動を行う際に、理学療法士の出番があります。

公務員なので、長く勤めれば昇給や賞与がある分お給料は低くなく、収入は安定しています。

教育・研究機関

理学療法士の養成期間で育成を行っているのもやはり理学療法士です。

理学療法士は経験がものをいう職業であり、教員になるには5年以上の業務経験が必要なので、実際に理学療法士としての実地を重ねながら教育者を目指すのもいいでしょう。

また、理学療法士は医療系の職業なので、目まぐるしい進歩を遂げる医療の知識を理学療法に取り入れ絶えず発信していくために、大学などの研究機関に所属するという道もあります。

企業

一般企業が理学療法士を応募資格として募集するということは滅多にありません。

しかし、高齢化が進む昨今、在宅介護が前提の住居や環境・設備の需要が少しずつ高まってきているので、営業や企画職などの応募時の強みとすることはできます。

また、スポーツを楽しむ上で使用する器具などの商品開発にも、理学療法士の持つ知識を役立てることができます。

スポーツ事業

フィットネスクラブやスポーツジムはもちろんのこと、実業団などの社会人チームのリハビリトレーナーなども、理学療法士の有資格者には有利です。

競技についての知識を身に付けたり、その競技独特の頻度が高いケガについて熟知したりと専門性が問われますが、例えば自分も興味があるスポーツの場合であれば、よりやりがいを感じられるでしょう。

理学療法士の受験資格

理学療法士の国家試験を受けるには、クリアしなければならない受験資格がいくつかあります。

必要な学歴

理学療法士になるためにはまず、高校に進学し卒業か、もしくは高卒認定を取得することが必要です。

そしてその後、文部科学大臣が指定した養成校で3年以上勉強して、決められた課程を修了する必要があります。

養成校には、いくつかあります。

  • 4年制大学
  • 短期大学(3年制)
  • 専門学校(3~4年制)
  • 特別支援学校(視覚障がい者対象)

大学の場合は、就職活動時に多様な職種や企業に応募ができる選択肢の広さがあり、専門学校は、学校が所属する業界での就職に強いという、それぞれのメリット・デメリットがあるので、自分の未来像に合った方を選択するのがいいでしょう。

どんなことを勉強するのか

理学療法士になるには、3~4年をかけて次のようなことを学びます。

  • 1年次…人体や生理機能など、医療の基本的知識。
  • 2年次…内科学・整形外科学・精神医学など、専門性が高い科目。
    実技や理学療法士の具体的な治療法である物理療法や運動療法。
  • 3・4年次…臨床実習が行われるようになる。

座学の他に、実際の医療現場で行う120時間以上の臨床実習が必須になっています。

3年制の短期大学や専門学校は最短で理学療法士になれるのがメリットですが、4年制のメリットはいわゆる実地訓練を念入りにできるところです。

理学療法士の適性

中学生という早いうちから理学療法士を目指せば、準備を十分整えることができますが、まずは自分をしっかり見つめなおし、以下のような理学療法士の適性があるかどうかをじっくり検討することも大切です。

思いやりがある

リハビリを受ける患者さん本人は、癒えない痛みや思うように動けないもどかしさが常にあり、そしてそれを支えるご家族にも、様々な負担が伴います。

そういった状況において患者さんに共感でき、気遣うことができる思いやりのある人が、理学療法士には向いています。

忍耐力がある

急性期の患者さんは、回復の程度が目に見えて早い分、患者さんも期待を寄せてリハビリをすることができます。

しかし、高齢者の利用者さんや、自宅に戻った生活期の患者さんなどは、成果が実感できるまで時間がかかるようになります。

挫けそうになる患者さんたちがリハビリを進めていくための、前向きな言葉で優しく励ましていく忍耐強さが、理学療法士には必要です。

コミュニケーションが得意

理学療法士の仕事は患者さんの状態から必要なリハビリを行うだけでなく、患者さんの希望をよく聞くことも大切です。

また、場合によっては医師の他にも看護師や栄養士・薬剤師・臨床工学技士など、他職種のスペシャリストたちとのチーム医療によって活躍する場合も、スムーズな情報交換が重要になります。

コミュニケーション能力が高い理学療法士は、より沢山の情報を患者さんの治療に役立てることができます。

前向きに勉強できる

医療の分野は日々の進化が著しく、新しい知識や情報が次々と更新されていきます。

それを理学療法にも役立てるため、常に前向きに勉強していき、患者さんに対して活かしていく姿勢があれば、今後も理学療法士が増えていく現代で活躍していけると言えるでしょう。

中学生からできること

高校卒業(もしくは高卒認定)と養成校修了が必要最低学歴である理学療法士になるために、中学生のうちからできることはどれくらいあるのでしょうか?

数学・英語・生物・物理に力を入れて学んでおく

もしも、中学生の学習の中に、理学療法士を目指す上で役立つ教科があるとしたら、それはやはり、数学・生物・物理でしょう。

決して、他の教科が必要ないということではありませんが、この3教科の勉強をしっかりと取り組んでおくと、養成校に進学した時、基礎知識がある分だけ授業を理解するのが少し楽です。

その他にも、授業で読む機会のある研究論文などは英語で書かれていたり、大学院に進んだ場合には逆に論文を英語で書いたりすることもあるので、英語を勉強しておけば損にはなりません。

心理学や法学を学ぶ科目も待っているので、決して理系に偏ることなく、文系の学習も怠ることがないようにしましょう。

学習する習慣を身に付けておく

最初の1~2年次は専門性の高い分野をみっちりと勉強することになります。

3年次からは、実習も始まり、ちゃんと知識が入っていないとつまずくことがどんどん多くなります。

学習の習慣を新たに身に付けながら、難しい、新しい知識を会得していくのはとても大変なことです。

「養成校に入ったらちゃんと勉強する」で合格できるほど、国家試験は甘くないので、中学生のうちから学習する習慣を身に付け、机に向かうことに慣れておきましょう。

パソコンが使えるようになっておく

理学療法士の養成校の課題はパソコンを利用するものが多いので、エクセルやワード、パワーポイントなど、一通り勉強しておいた方がいいでしょう。

タイピングも、レポートを書く際に手元を見て確認しながら打っていると結構な時間を割くことになってしまうので、タイピングが苦にならない程度には打てるようになっておいた方がいいでしょう。

人間としての力を蓄えておく

理学療法士は、その人間性が仕事にとても影響を与える仕事と言えます。

勉強して得る知識は勿論ですが、人付き合いや遊びの中にある、若いうちだからこそ得られる経験を大切にするのも、人間性を育てるためには必要なことです。

中学生にしかできないことを沢山体験して、素敵な大人への足掛かりを作ることを、まずは目指しましょう。

まとめ

理学療法士になるために中学生のうちから用意できることや、知っておいた方がいいことをご紹介しましたが、参考になったでしょうか?

中学生にしかできないことや気が付かないことが沢山あるので、ここに紹介した以外のことでも、理学療法士に繋がると思ったら、どんどん実践してみてください。

日本保健医療大学は、未来の可能性を伸ばすよう、教員が学生一人ひとりに寄り添いながら、様々な取り組みやサポートを行い、養成期間中だけでなく、卒業後も学生と共に歩んでいきます。

最新の医療技術が学べる教育環境をご用意しておりますので、まずはオープンキャンパスやHPで、学校や学生の雰囲気を見てみてはいかがでしょうか。

まだ中学生だけど、もっと詳しく理学療法士について知りたいと思ったあなたも、ぜひお気軽に日本保健医療大学まで、お問合せください。