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職業辞典 Profession Column

スポーツリハビリトレーナーを目指すには?仕事内容や適性などを解説

  • 理学療法士

日本のスポーツ選手が、オリンピックでメダルを獲得してくるような素晴らしい記録を打ち立てている話をよく耳にしますよね。

そんな選手たちのスポーツニュースやドキュメンタリー等を見ていると「スポーツリハビリトレーナー」という言葉をたまに聞くことがあります。

名前の通りトレーナーの役割なのですが、その中に「リハビリ」という言葉が含まれていると、私たちが知っているトレーナーとは、ちょっと異なります。

最近では目指す人が増えてきていると言われているスポーツリハビリトレーナーについて、何を学べばなれるのか、どんな仕事内容なのか、お給料など、気になるところを深堀りします。

リハビリトレーナーとは

そもそも「リハビリトレーナー」とは、どんな仕事なのでしょうか?

リハビリトレーナーという仕事は、以下の「医療機関」と「介護・福祉施設」そして「スポーツ業界」の3つの分野に、活躍の場があります。

そして、リハビリトレーナーは一人で仕事をするわけではなく、それぞれの現場で、他職種と連携を取りながら一番いい形を模索し、進めていく仕事です。

では、それぞれの場所でリハビリトレーナーとはどんな役割を担っているのでしょうか?

医療機関

医療機関でのリハビリトレーナーは、病院や接骨院・整骨院や整形外科など、患者さんの運動機能の回復のためのリハビリを行います。

医療の現場でリハビリを行う役職は主に「理学療法士」と呼ばれるリハビリトレーナーであり、国家資格を取得した上で患者さんのリハビリを行います。

病気やケガで障がいを持つ、または障がいを持つと予想される、運動機能が低下している患者さんに対して、

  • 機能訓練のプログラムを作成
  • 基本的な動作(立つ・歩くなど)の訓練指導
  • 日常的な動作(食事・排泄など)の訓練指導
  • 痛みを軽減し血行や代謝を促進するマッサージや物理療法の施術
  • 退院した患者さんが暮らす住居の環境整備指導

など、様々な指導やサポートを行います。

機能低下のきっかけがある初期の頃(急性期)から、余命わずかな時期(終末期)まで、長い時間をかけて患者さんに関わる仕事です。

介護・福祉施設

介護施設や障がい者施設など、福祉の現場で活躍するリハビリトレーナーも、医療の現場と同様、理学療法士等の有資格者が大半を占めています。

  • 利用者さんの希望や必要に応じた運動プログラムの作成
  • 筋力維持のための基本的な体操やストレッチなどの指導
  • 転倒しやすい高齢者などの、ケガ予防の指導

介護施設でのリハビリトレーナーは、ケアマネージャーや配置医なども交えた話し合いの場に同席し、利用者さんが家でどのように生活したいのかを聞いた上で、希望に近づけるようなプログラムを作成することになります。

高齢化社会に伴い介護施設での需要が特に高まってきている中で、リハビリ指導ができるトレーナーは貴重な人材となります。

スポーツ業界

スポーツ選手などを傍で支える一人として、リハビリトレーナーには様々な役割があります。

中には国家資格などを持っていないと行えない施術もありますが、スポーツ選手に求められる指導や管理などは以下のような内容です。

  • マッサージ
  • 鍼灸治療
  • トレーニングプログラムの作成
  • ケガなどの故障の予防指導
  • 栄養面での管理
  • テーピングやストレッチの指導や補助
  • ケガをした際の応急処置やリハビリ指導など

スポーツ選手はリハビリトレーナーの他に、コーチや監督・医師などもその活動に携わっています。

それぞれの役職との間に入りコミュニケーションを取りながら、リハビリや競技復帰がスムーズにいくよう調整するのも、リハビリトレーナーの大切な仕事の一つです。

また、最近は運動不足が原因でかかる病気を防ぐ目的で、スポーツジムやフィットネスクラブを利用する一般の方も増えています。

スポーツ業界において、アスリートを対象とする以外にも、そういった身近な立場での指導を行うのも、リハビリトレーナーの仕事です。

スポーツリハビリトレーナーになるためには

リハビリトレーナーの中でもスポーツに特化しているスポーツリハビリトレーナーは、理学療法士や鍼灸師・柔道整復師などの国家資格とは違い、就職するにあたって必須な資格は事実上ありません。

それでは、具体的にどのような勉強をしてどんな経路を辿れば、スポーツリハビリトレーナーとしてスポーツ業界で活躍することができるのでしょうか?

専門知識を学校で学ぶ

資格取得の必要のないスポーツリハビリトレーナーであっても、上述したように、ケガをした際の応急処置や、体調管理、身体作りのためのプログラム作成など、医療的知見や多様な専門的知識が必要になります。

科学的根拠に基づいた理論的な裏付けをもって、利用者さんの信頼を得るためには、どこで学んできたのかというのは重要なことです。

スポーツリハビリトレーナーとして働くためには、体育系や医療系・健康科学などの専門知識を勉強できる、大学や短大・専門学校などで学びを得ることが必要です。

持っていると有利な資格

専門学校等で知識を得ても、いざスポーツリハビリトレーナーを名乗って就職するとなった場合、資格を何も持っていなければ、なかなか採用されないというのが現状です。

スポーツリハビリトレーナーとして仕事に就く場合、持っていると有利になる資格は、以下の通りいくつかあります。

  • 理学療法士(国家資格)
  • 作業療法士(国家資格)
  • 柔道整復師(国家資格)
  • はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師(国家資格)
  • NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
  • 健康運動実践指導者(民間資格)
  • 日本体育協会公認アスレティックトレーナー
  • メディカルトレーナー(民間資格)

理学療法士や作業療法士・柔道整復師や、はり・きゅう師は国家資格で、合格率は60~80%と、そこまで狭き門ではありません。

そんな中でも柔道整復師や、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師は、独立開業ができる医療系国家資格です。

対して、日本体育協会公認アスレティックトレーナーは、合格率が約10%と、とても難しいと言われています。

自身がどんなスポーツリハビリトレーナーとして仕事がしたいのかによって、有利な資格は変わってきます。

もしスポーツリハビリトレーナーを目指すのであれば、上記のような資格を取ることで、採用の確率は上がりますし、目指すトレーナーに近づくこともできるでしょう。

スポーツリハビリトレーナーの適性

スポーツリハビリトレーナーとして信頼されるためには、様々な専門的な知識や経験が必要ですが、その他に、そもそもスポーツリハビリトレーナーとしての適性があるかどうかも重要です。

では、具体的にどんな人が向いているのでしょうか?

スポーツ経験がある

スポーツ業界に関わりのある仕事に就くことになるので、スポーツの経験があることは間違いなく仕事に役立ちます。

確かにスポーツリハビリトレーナーは、スポーツ選手などのケガや故障に対して医学的見地や食事方面からアドバイスしたり、日々のメンテナンスの指導をしたりするので、専門的知識があればできる仕事です。

しかし、そのメンタルにも気を配る必要があるトレーナーに、スポーツの経験がなければ、本当の意味で精神的に寄り添えず、信頼を得ることは難しいかもしれません。

勿論、必ずスポーツ経験が必要なわけではありませんが、スポーツリハビリトレーナーの仕事に就くのであれば、経験者の方がより向いていると言えるでしょう。

健康に対して興味や関心が強い

スポーツ選手だけでなく、様々な理由で様々な人が健康的に身体を動かす必要性を感じている昨今、多くの一般の人がフィットネスジム等に通うようになってきています。

そんなお客様に運動指導するトレーナーですから、まずは自分自身が健康に興味を持つ必要があります。

お客様の中には様々な悩みがあって、身体の不自由な部分に対処するための指導を求めて来る方もいらっしゃいます。

お客様一人ひとりに合った指導を、親身になって行うためにも、基本である「健康」を大切に考え、適切な指導に繋げることが、トレーナーとしての大切な役割です。

人とのコミュニケーションが好き

スポーツリハビリトレーナーに限らず、リハビリトレーナーはお客様や患者さんにリハビリを行うだけの仕事ではありません。

普段の生活や希望をよく聞き、本人に合ったプログラムを考え、上手くいかない時などは精神面に配慮した声掛けをするなど、心身ともに常に積極的なコミュニケーションが必要となります。

特に医療機関や介護施設となると、それからの人生を占める長い時間を、リハビリで過ごす患者さんや利用者さんもいらっしゃいます。

共感し、励ましながら進めていくトレーニングを支えるのですから、人と関わることが好きな人に、スポーツリハビリトレーナーは向いています。

スポーツリハビリトレーナーの収入

スポーツリハビリトレーナーの気になる収入ですが、その働き方によって大きく差が出ます。

上述しましたが、特に資格を必要としないスポーツリハビリトレーナーは、それだけであれば採用されるのが難しい職種となります。

例えば、理学療法士や柔道整復師などの資格を取って、医療機関などに就職となれば、年収は約400万円強です。

健康運動実践指導者や、メディカルトレーナーやアスレチックトレーナーなどの民間の資格を持っている場合は、低くても300万円前後の年収です。

しかしスポーツリハビリトレーナーは、例えばスポーツ選手と個人契約を結ぶ、プロのスポーツチームや実業団に所属する、企業と専属契約したり、自分で開業したりと、経験を積み信頼を得て成長していくことで、その収入が跳ね上がる可能性がある仕事でもあります。

安定を求めるのか、大きな夢を持つのかで、スポーツリハビリトレーナーの収入は変わってくるでしょう。

まとめ

スポーツリハビリトレーナーという仕事は範囲がとても広く、他に取得する資格によって、自分の働き方をある程度選べる仕事だということが分かって頂けたと思いますが、いかがでしたか?

スポーツで頑張る人を支えることも、身体が不自由な方の機能回復をサポートすることも、相手を見て、その身体を診て、その人に合った計画を立てる、そのためにコミュニケーションを取る、という点では、例え違う場所で働いたとしても、その役割は変わりません。

日本保健医療大学は、幅広い教養と広い視野を備えた豊かな人間性を養い、自分を磨いていけるような人材を育成するため、丁寧な教育と学生指導にあたっています。

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スポーツリハビリトレーナーを目指している人、支えたいスポーツ選手がいる人も、ぜひお気軽に日本保健医療大学まで、お問合せください。