出産育児との両立ができる仕事は?看護師・介護士をおすすめする理由
- 看護師
社会人になった後、出産や育児と仕事の両立に関して心配をしている方は多いのではないでしょうか。
子供の送迎や家事により仕事の時間が制限されるなど、プライベートが仕事に対して大きな影響を与えることも珍しくありません。
従来までの、結婚した女性は職場を辞めて家庭に専念するという時代は過ぎ、現在は育児と仕事を両立できる仕事が増えています。
育児や家事と仕事を両立させる男性も増えています。
この記事では、出産育児との両立ができる仕事を見極めるポイント、覚えておくべき制度、看護師・介護士がおすすめの理由を詳しく紹介します。
目次
一般的に出産育児と仕事の両立が困難と言われる理由
育児をしながら仕事をするのは大変です。しかし、具体的にはどのような点が困難なのでしょうか。下記で詳しく説明します。
子どもを預ける必要がある
未就学児の子どもを1人で家に置いておくことはできません。
仕事に出かけている間は誰かに子どもを見てもらう必要があるため、預け先や人をどうするかで悩む親御さんは少なくありません。
1日や2日であれば問題ありませんが、仕事はほぼ毎日継続してあります。最近はテレワークという手段もありますが、未だ取り入れている会社は少ないのが現状です。
- 継続して預けられる場所の確保
- 近くに子どもを安心して預けられる人がいない
- 保育料の負担が心配
保育園に預ければ保育料がかかり、近くに親が住んでいなければ安心して子どもを預けられる人はいません。預け先をどうするかは、仕事との両立を考えている方の大きな課題です。
産後の体調変化
女性においては、産後は、体調面・精神面でさまざまな不調を感じることがあります。
ホルモンの急激な変化による睡眠不足や、子どもの面倒を常に見なければいけないという慣れない環境では、精神面の不調から産後うつになるケースも珍しくありません。
産後の体調変化を抱えたまま仕事をすれば、子どもを産む前のようなパフォーマンスを発揮することは難しくなります。
疲労回復に使える時間が少なくなる
出勤前、退勤後、休日は子どもの面倒を見なければいけないため、自身の疲労回復に使える時間は少なくなります。
出勤前は仕事へ行く時間よりも早く起きて子どものご飯を作り、退勤後もご飯、お風呂、寝かしつけなど仕事はさまざま。
独身で子どもがいなければ休日は自分のしたいことができ、疲労回復を優先することができますが、子どもがいればそうもいきません。
忙しい仕事が終わった後も育児をしなければいけないという生活はハードなので、その点で両立が難しいと感じる方は多いはずです。
出産育児との両立ができる仕事の選び方
出産育児との両立ができる仕事を選ぶ際は、下記のポイントをチェックしてください。
自宅からの距離
育児と仕事を両立する場合は、自宅から勤務地までの距離は非常に重要です。
独身であれば片道1時間やそれ以上でも構いませんが、育児と両立する場合はそうもいきません。なぜなら、子どもの急病時などはすぐに迎えに行く必要があるからです。
また、通勤時間が短ければ少しでも家事を進めることができ、自分の時間を作る余裕も出てくるかもしれません。勤務地が遠いと疲労も蓄積するため、両立には不向きです。
多様な働き方ができる
多様な働き方ができる仕事であれば、育児と仕事は両立しやすくなります。
勤務時間が固定ではない、休みの曜日を指定できる、急な休みにも対応してもらえるなど、多様な働き方に対応している仕事であれば安心して働くことができます。
仕事の面接では希望する条件を必ず聞かれますので、その際に何時以降は働けない、この曜日は休みたいなど、条件を明確にしておくことをおすすめします。
子育て支援制度
女性の社会進出が目覚ましい昨今では、子育てしながら働く女性を支援するためのさまざまな制度を会社が提供している場合もあります。
- フレックス
- テレワーク
- 社内託児所
- 子連れ出勤
フレックスとは、就業規則で定めた総労働時間の枠内で自由に時間を決められる働き方です。
つまり、子どもの面倒を見なければいけない時間は子育てをして、空いている時間を仕事に費やすことができるというわけです。
他にも、テレワークで仕事をすれば子どもをどこかに預ける必要がなくなり、社内託児所や子連れ出勤を許可している会社も働き方改革の影響で増えています。
会社ごとにさまざまな子育て支援制度がありますので、自身のニーズに合った制度を提供している仕事を選ぶようにしましょう。
出産育児と仕事を両立するために覚えておくべき制度
出産育児と仕事の両立は大変ですが、国は女性の社会進出を後押しするためのさまざまな制度を用意しています。ここからは、必ず覚えておくべき制度を紹介します。
短時間勤務制度
育児介護休業法により定められている『短時間勤務制度』は、従業員からの申し出があれば1日の所定労働時間を6時間にすることができる制度です。
特定の1日の労働時間を7時間、または隔日勤務にするなどの措置も可能ですが、いずれにせよフルタイムで働かずにその分を育児に充てることができます。
育児か介護かで短時間勤務制度は下記のように適用要件が変わります。
- 育児⇒対象期間は子どもが3歳に達するまで
- 介護⇒利用開始日から連続する3年以上の期間
ちなみに、3歳以降の子どもに関しては法律的な義務はありません。
育児と仕事を両立したいけれど仕事時間を短くしたいと考えている方は、ぜひ検討してみましょう。
育児時間
育児時間とは、文字通り育児をするための時間で、8時間労働のうち少なくとも30分の育児時間を2回まで取得できるという制度が労働基準法にて定められています。所定労働時間が4時間以内の場合は1回のみ申請できます。
従業員は少なくとも30分の育児時間を2回まで取得できますが、細切れで30分ずつだけではなく、まとめて1時間として申請することも可能です。
たとえば、始業前に1時間の育児時間を使う、終業前に1時間使う、始業前と終業前に30分ずつわけて使うなど、さまざまな活用方法があります。
育児時間の申請に明確な決まりはありませんので、事業主と話し合いながら育児時間取得に関して話し合いましょう。
子の看護休暇
子の看護休暇とは、未就学児の子どもが怪我や病気などで看護を要する場合に取得できる休暇制度です。令和3年の法改正により、時間単位での取得が可能になりました。
申請可能な対象範囲は下記の通りです。
- 小学校就学の始期に達するまでの子どもを養育する労働者
- 労働者1人につき最大で5日間(子どもが2人の場合は10日)
働いているすべての労働者が対象になる制度ですが、雇用期間が6ヶ月未満、1週間の所定労働日数が2日以下の労働者は対象外となります。
育児休業
育児休業とは、子どもを養育する義務のある労働者が法律に基づき取得できる休業です。
これまでも時代背景に合わせて何度も改正されている法律ですが、現行の制度では子どもが1歳に達するまで取得できます。
同一の事業主に引き続き1年以上雇用されており、子どもが1歳6ヶ月に達する日までに労働契約の期間が満了しない場合は、パートやアルバイトでも取得可能です。
一方で、日雇いで働いている方、雇用契約が1年未満の方、育児休業が終了した後に引き続き雇用される見込みがない方は、育児休業の対象外となります。
出産育児と両立できる仕事に看護師・介護師がおすすめの理由
育児と両立できる仕事が増えてきたとはいえ、依然として理解がなく働きにくい仕事が多いのも事実です。
ここからは、出産育児と両立しやすい仕事として看護師・介護士が注目されている理由を詳しく解説します。
女性が多いので理解が得やすい
看護師・介護士は女性が多い職場なので、出産や育児に関する理解を得やすい環境です。
すでに出産や育児を経験している方が多い職場なので、子育ての大変さを理解しており、何かあれば手助けしてくれるという環境面が大きなメリットです。
厚生労働省が発表した「衛生行政報告例(就業医療関係者)」によれば、看護師の男女比率は男性が7.8%であるのに対して、女性は92.2%です。
圧倒的に女性が多い職場なので、出産や育児に関する相談もしやすく、安心して仕事と両立することができる環境であるといえるでしょう。
時間の融通が利きやすい
看護師・介護士は時間の融通が利きやすい仕事なので、育児との両立がしやすいというメリットがあります。
育児について理解がある方が多い職場なので、お互いに助け合いながらシフトを調整します。時間や休日の調整もしやすい場合が多いです。
また、看護師や介護士はシフト勤務が一般的なので、事前に予定されている子どもの行事やイベントに合わせて休みを取りやすい環境です。
仕事は多忙ではありますが、ある程度はライフスタイルに合わせた勤務時間や休日の調整をすることができるでしょう。
求人が多いので働く場所を選べる
医療業界は人材不足が深刻なので働く場所には困らない環境です。
ブランクがある、未経験、資格がないなどでも求人が多いため、介護士として働くことができます。看護師は資格が必要ですが、多少のブランクがあっても同様の理由で働く場所はすぐに見つけることができるでしょう。
また、看護師・介護士は仕事を続けていけばキャリアアップを目指せます。
たとえば、子どもが小さいうちはパート勤務で働きつつ、子育てが一段落したら資格を取得しながら正社員を目指していくという選択肢もあります。
子育てと両立しながらさまざまな選択肢を模索できる点は大きなメリットです。
まとめ
出産育児と仕事の両立が困難な理由、両立できる仕事の探し方、覚えておくべき制度、看護師と介護士をおすすめする理由を紹介しました。
現在は、育児をしながらでもキャリアアップすることができる時代です。
さまざまな育児を支援する制度があり、育児との両立がしやすい仕事もあるため、自分で仕事を選び、最適な選択肢を模索していきましょう。