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看護師になるために中学生からできることとは?準備や最短ルートを紹介

  • 看護師

「家族が入院した時に、優しくてきぱきと接してくれる看護師さんを見て、すごいなって思って」

そういうきっかけで看護師を目指そうと思った若い方は多いと思います。

健康とはとても大切なものなのに、それが揺るがされる出来事がないとなかなか気が付きませんが、そんな大変な時に支えになってくれる看護師さんに「自分もなりたい」と思う気持ちは共感できます。

でも、そう思ったあなたがもしも、今中学生だったら?

看護師の夢を持つ中学生のうちから準備できることを、いろんな角度から詳しく解説します。

正看護師になるための受験資格

看護師は、国家資格である正看護師と、都道府県知事により与えられる資格である准看護師と、2種類の看護師がいます。

まずは正看護師の資格を得るためにはどのような条件をクリアしなければならないのかをご紹介します。

正看護師は、医師の指示によって診察の補助や患者さんの看護を行う仕事です。

治療にあたる複数のメディカルスタッフと共に医療チームに組み込まれる中で、療養中の相談など、患者さんと直に接する機会が多い正看護師は、心のケアにも関わる大切な役割を担う、やりがいのある重要な役職です。

そんな正看護師は、以下のような条件をどれか一つクリアすることで、受験資格を得ることができます。

  • 文部科学大臣の指定した大学(指定大学)や専門学校(指定学校)等、看護師養成課程のある学校にて3年間以上学び卒業した者
  • 都道府県知事の指定した看護師養成所(指定養成所)にて3年以上学び卒業した者
  • 准看護師免許取得後3年以上勤務の後、看護師養成所等で2年以上学び卒業した者
  • 5年一貫制高等学校で5年間の課程を修了し、卒業した者

正看護師の受験資格を得られるのは、最終学歴が高校卒業以上で3年以上の養成学校期間を経るか、もしくは最終学歴が中学校以上でなおかつ准看護師勤務とその後の養成課程を所定の期間経ることが必要です。

5年一貫制高等学校は、3年間の高等学校の衛生看護科と2年間の専攻科が一つになったものです。

3年で卒業すれば高等学校卒業になり、5年全て終了すれば正看護師の受験資格を得ることになるので、中学生のうちから正看護師を目指すとすれば、5年一貫制高等学校を5年で卒業することが最短ルートとなります。

正看護師の合格率は約91%で、国家試験に合格すると看護師免許を取得することになり、晴れて看護師として働くことができます。

准看護師になるための受験資格

正看護師の受験資格の中に「准看護師」という名称がありますが、准看護師も基本的には正看護師と同じ業務を行います。

しかし、看護師の業務は「療養上の世話」と「診療の補助」とに分けられ、その中で、正看護師と准看護師では、できる業務に違いがあります。

正看護師は「診療の補助」に関しては医師の指示が必要ですが、「療養上の世話」に関しては、医師による特別の指示がない限りは自分の判断で業務を行うことができます。

それに比べ准看護師は、「療養上の世話」と「診療の補助」のどちらに関しても、医師または正看護師の指示がないと、自己判断で動くことはできません。

正看護師の補助的存在の准看護師ですが、その受験資格を得るための最終学歴は中学卒業以上で、他に以下のいずれかの条件が必要です。

  • 准看護師養成所で2年の課程を修了
  • 高校の衛生看護科で3年の課程を修了
  • 高校卒業の場合は准看護師養成所で2年の課程を修了

以上の養成期間を経て、准看護師の受験資格を得ることになりますが、合格すると准看護師の資格を都道府県知事により発行されるので、国家資格ではありません。

そしてご覧の通り、准看護師を目指す場合は、中学卒業後に准看護師養成所で2年間学んで受験するというのが最短ルートとなります。

しかし、最終目標が正看護師の場合は、例えば准看護師の実務経験を3年以上積んだ後に2年の養成期間が必要など、改めて条件をクリアしてから正看護師の国家試験を受ける必要があるので、かえって遠回りになってしまいます。

看護師の適性

看護師を目標にする上で、自分が看護師に向いているかどうかを知るのも、一つの対策だと言えるでしょう。

せっかく頑張って看護師になるための勉強をしたのに、いざなってみたら全く自分には向いていなかった、となってしまうのは、できれば避けたいところです。

看護師に向いているのは、一般的に以下のような人と言われています。

  • 夜勤があり、病院中をとにかく歩き回るための、健康と十分な体力がある
  • 医師など多職種との連携のための、協調性やコミュニケーション能力がある
  • 頭の回転の速さと、機転を利かせて行動できる判断力がある
  • 患者さんとの信頼関係を築ける共感力がある
  • 病変に素早く気が付く、観察力や注意力がある
  • 激務やプレッシャーに耐えうる、精神的な強さがある
  • 目まぐるしい医療の進歩に合わせ、前向きに学ぶ向上心がある

これだけの条件が揃う人なら、看護師でなくともどんな仕事にも向いていそうな気がしますので、中学生という早い段階でこれを知って「自分は向いていないかも」と思う必要はないと思います。

しかし、体力などは中学生から養うことはできますし、コミュニケーション能力などはまだまだ成長の通過点です。

だんだんと経験を重ねるうちに身についてくる力を、中学生の時点で「無い」と思い込む必要はありません。

看護師に一番大切なのは、きっと「看護師になりたい」と思ったその理由の中にある、患者さんに対して「助けになりたい」という気持ちがなによりでしょう。

そして、晴れて看護師になってから、患者さんをお世話する中で成長していく力もあるので、どんな看護師になれるのか、本当に看護師になりたいのかなど、まずは自分をよく見つめてみると良いでしょう。

看護師になるために中学生でも準備できること

中学生という早い時点で将来の目標が明確になっているということは大変喜ばしいことであり、目標達成に向かって努力できる時間が十分に用意されているのも大きな強みでしょう。

ではその十分に用意された時間で、できることはどのくらいあるのでしょうか?

学習で力を入れるなら生物の知識を

少しでも知識を深めたいというのであれば、やはり生物系の知識は勉強しておいて損はありません。

人体の構造、心臓など臓器の働き、血液の循環など、中学で習うことと看護学校で習うことは、基本的な内容にそれほど差がありません。

むしろ中学生で習うことは、看護師の国家試験対策として大いに役立っています。

「中学のうちにもっと勉強しておけば良かった……」と後悔しないように、丸暗記でテスト勉強を済ませずに、しっかりと勉強しておくと良いでしょう。

どんな職場でどんな看護師になりたいのかイメージしてみる

看護師の仕事と聞いて思い浮かぶのは、検温したり、血圧を測ったり、注射を打ったり、問診したりといった仕事内容だと思います。

しかし、実際の業務は実は多様にあり、働く場所によっても内容は変わってきます。

今はインターネットが普及しているので、詳しい業務内容を調べればいくらでも知ることが可能です。

まず一番にお勧めしたいのは、本当はどんな仕事なのかを具体的に知った上で、どんな職場でどんな看護師になりたいのかを、具体的にイメージしてみることです。

例えばフライトナースを目指すなら、就職先の病院にドクターヘリがあるのが条件になりますよね。

終末医療に携わりたいと思っているなら、それに特化した病院を探す必要があるでしょう。

看護師養成の為の大学や専門学校には、奨学金を利用して入学する人もいるかと思います。病院の奨学金制度を利用する人は、一旦は付属の病院に就職することになります。

幸いにも、今現在が中学生なのであれば、道のりはまだまだ長いので、今イメージできなくても、調べているうちにいろんな情報を得ることで、選択肢も広がっていきます。焦らずゆっくり自分の納得いく道を探すと良いでしょう。

人間力を育てる時期を大切に過ごす

看護師を養成する学校は、大学でも専門学校でも、勉強や実習でとても忙しい毎日を送ることになります。

中学生のうちから看護師になるための準備にたくさん時間をかけたい気持ちを持つのは素晴らしいことですが、中学生の時期しか学べないこともあるのは確かです。

勉強はもちろんのこと、友達と遊ぶことや生活を丁寧に送っていくことの中で、年相応の経験をすることは大切なことであり、人間力を育てることにも繋がります。

看護師は、幅広い意味で人間性が求められる場面が多い仕事なので、今目の前にある課題に対してしっかりと取り組んで経験する全てが、いずれ看護師という仕事に繋がると言えるのです。

実際の学校や職場を体験してみる

実際に、学ぶ学校や職場を体験するのが一番勉強になります。

看護師を養成する学校のオープンキャンパスを見に行けば、雰囲気を掴むことができます。

夢に向かって勉強しなければならないわけですから、学校の雰囲気が自分に合うかどうかは大事ですし、そこに通う学生に、不安なことを思い切って聞いてみるのも良いでしょう。

職場体験を行う中学校も多いと思いますので、是非病院や介護施設など、医療関係の職場を希望してみてください。その場合はもちろん、現役の看護師に質問するチャンスです。

他にも、養成学校を受験する際、面接でボランティアの有無を聞かれることは多いようですので、ボランティアに参加するのもとても参考になるでしょう。

まとめ

看護師になるために、中学生からできることを、学校の選び方や適性、最短ルートなどの視点から紹介しましたが、参考になりましたか?

最近は、そういった中学生や高校生など、とても若い方から看護師さんが相談を受けることが多いと聞きます。

病気、災害、高齢化など、人の健康を脅かす様々な事象がある中で、人の役に立ちたいと考える若い方が増えているのかもしれないと思うと、とても心強いことです。

是非「看護師になりたい」と思ったその動機を大切にして、目標に向かって頂ければと思います。

人の役に立ちたいと考える優秀な看護師たちを育て送り出すため、日本保健医療大学では、人間性と専門性、国際性、そして社会性の4つの育成を目標に、『一人ひとりに「目」をかけ「声」をかけ「時間」をかける』指導を行っております。

最新の医療技術が学べる教育環境をご用意しておりますので、まずはオープンキャンパスやHPで、学校や学生の雰囲気を見てみてはいかがでしょうか。

看護師を目指している方は、ぜひお気軽に日本保健医療大学まで、お問合せください。