助産師に資格はいる?必要な資格や試験について詳しく紹介!
- 看護師
みなさんは、助産師になるにはどのような資格が必要なのかについて知っていますか?
妊婦の出産に立ち会い、新たな命の誕生に関わることのできる助産師は、数ある職業の中でも特にやりがいがあると言われており、特に子どもが好きな女性に人気の職業となっています。
やりがいのあるとても素敵な職業として人気の助産師ですが、希望すれば誰でもなれるというわけではありません。
出産に立ち会うという責任の重い仕事になるため、助産師になるにはいくつかの資格が必要であり、たくさんのことを学んでおく必要があるのです。
助産師を志している人の中には「助産師になりたいけど、どんな資格を取ればいいのかわからない」「助産師になりたいけど、助産師がどんな仕事をしているのか詳しく知らない」という学生の人が多くいる印象を受けます。
そこで本記事では、将来助産師になりたいと考えている人のために、助産師になるために必要な資格や国家試験について、また助産師の仕事内容や活躍の場など、助産師の基本的な情報も含めて詳しく紹介していきます。
助産師になりたいけどどんな資格を取れば良いのかわからないと悩んでいる人は、ぜひチェックしてみてください。
目次
助産師に必要な資格を紹介
はじめに、助産師になるのに必要な資格について紹介していきます。
- 看護師国家資格
- 助産師国家資格
以下では、ひとつずつ詳しく紹介していきますのでぜひチェックしてみてください。
看護師国家資格
あまり知られていないのですが、実は助産師になるには看護師の国家資格が必須となります。
「助産師になりたいのになんで看護師の国家資格なの?」と思ってしまう人もいるかもしれませんが、助産師の国家試験を受験するには看護師の国家資格を持っていなければならないという条件があるため、看護師ではなく助産師になりたいという人でも看護師の国家資格を取得する必要があります。
助産師を目指している人は、看護師の国家資格も取得する必要があるということを覚えておきましょう。
助産師国家資格
助産師になるには、看護師の国家資格に加えて助産師の国家資格も必要となります。
冒頭でも紹介した通り、助産師とは新たな命の誕生に立ち会う、とても責任のある職業です。
そのため、現在の日本では助産師の資格は国が認める国家資格となっており、国家試験に合格した人にのみ与えられる重要な資格となっています。
助産師の国家資格を取得するには、学校へ通い助産師になるための勉強を学び、助産師の国家試験に合格する必要があるということを覚えておきましょう。
助産師になるための試験について
助産師になるには看護師・助産師の国家資格を取得する必要があると紹介しましたが、次に紹介するのは助産師になるための試験についてです。
看護師・助産師それぞれの国家試験について詳しく紹介していきますので、助産師になりたいと考えている人はぜひチェックしてみてください。
看護師国家試験について
まずは看護師の国家試験について紹介していきます。
毎年2月に行われる看護師国家試験では、筆記試験のみが行われます。
- 人体の構造と機能
- 疾病の成り立ちと回復の促進
- 健康支援と社会保障制度
- 基礎看護学
- 成人看護学
- 老年看護学
- 小児看護学
- 母性看護学
- 精神看護学
- 在宅看護論及び看護の統合と実践
看護師の国家試験の試験科目は上記の通りです。
こうして試験科目に目を通してみると、医療従事者として働くのに必要な科目であり、助産師も学ぶ必要のある知識であることがわかります。
気になる合格率ですが、実施される年によって誤差があるため、過去の看護師国家試験の合格率を下記にまとめました。
合格率 | |
2016年 | 89.4% |
2017年 | 88.5% |
2018年 | 91% |
2019年 | 89.3% |
2020年 | 89.3% |
厚生労働省の発表によると、看護師の国家試験では毎年90%前後の合格率が出ていることがわかります。
非常に高い数字が出ているとはいえ、毎年10%近くの人たちが不合格となってしまっているため、油断はできません。
助産師国家試験について
次に、助産師の国家試験について紹介していきます。
看護師と同様、助産師の国家試験は毎年2月に行われ、助産師の国家試験も筆記試験のみが行われることになっています。
- 基礎助産学
- 助産診断・技術学
- 地域母子保健及び助産管理
助産師の国家試験の受験科目は上記の通りとなっています。
看護師に比べて試験科目の少ない助産師では、助産に関する知識に特化していることがわかり、その他全体的な知識は看護師の国家試験で出題されるという傾向があります。
そのことからも、助産師になるには助産師の国家資格だけではなく、看護師の国家資格も必要だということが再認識できるでしょう。
助産師の国家試験の合格率も、下記の表にまとめました。
合格率 | |
2016年 | 99.8% |
2017年 | 93% |
2018年 | 98.7% |
2019年 | 99.6% |
2020年 | 99.4% |
厚生労働省の発表によると、ほとんどの年で95%以上の数字が出ている助産師の国家試験は、看護師の国家試験に比べて難易度は低いと考えられます。
出題科目が少ないため、試験対策がしやすいという点が、合格率が高い要因となっているようです。
そもそも助産師とは
次に、そもそも助産師とはどのような職業なのかについて紹介していきます。
母と子の健康を支える重要な仕事!
助産師とは、主に妊婦の出産に立ち会い、新たな命の誕生の手助けをするとても重要な職業です。
妊娠から出産、育児など、出産の立ち合いで妊婦のサポートをするだけではなく、妊娠期間から育児期間を含めたすべての子育てに関するケアを行っています。
また、助産師は母親学級・父親学級などの相談会やセミナー、母子の健康指導なども行う場合があります。
助産師の活躍の場
助産師の国家資格を取得した人たちの主な就職先は以下の通りです。
- 病院
- 診療所
- 助産院
- 保健所
- 母子保健センター
- 産後ケアセンター
助産師の国家資格を取得した人の7割が病院に就職するという傾向がありますが、助産院や保健所、保健センターなど、病院以外の選択肢もあるのが助産師の就職先の特徴です。
「出産の立ち合いがしたい!」という理由で助産師を志した人が多いですが、中には「不妊で悩む人の相談役になりたい」「妊娠期間を不安で過ごす妊婦の人の支えになりたい」といった理由で助産師を志す人も珍しくはありません。
助産師の平均年収
いくらやりがいがあって楽しい仕事であったとしても、給料のことについては誰もが気になるポイントではないでしょうか。
厚生労働省の発表によると、助産師の平均年収はおよそ570万円となっており、看護師の490万円を大きく超えています。
助産師は、急な出産などにも対応する必要があるため、夜勤や休日出勤などが増えてしまう傾向にあります。
そのため手当てがつきやすく、看護師よりも高い給料がもらえるという特徴があります。
助産師になるにはどうしたら良いのか?3つのパターンを紹介
助産師になるために必要な資格や国家試験などについて詳しく紹介しましたが、では具体的に助産師になるにはどうしたら良いのでしょうか。
最後に紹介するのは、助産師になるために具体的にどうしたら良いのか、高校卒業から助産師になるまでの道のりである3つのパターンを詳しく紹介していきます。
最短ルートのダブル受験パターン
助産師になるための具体的なルートとしてまず挙げられるのが、最短ルートであるダブル受験のパターンです。
看護師・助産師と2つの国家資格を取得しなければならないため、2つの勉強を行い、大学入学から4年後に看護師・助産師の国家試験を同時に受験するのがこのパターンです。
高校卒業後、看護師・助産師の国家試験をダブル受験する条件を満たしている大学へ入学する必要があり、4年間で看護師・助産師の両方の勉強を同時に並行して行います。
そして4年後の2月、看護師・助産師の両方の国家試験を同時に受験し、無事合格することができれば助産師として働くことが可能となります。
このダブル受験のパターンでは、最短4年で2つの国家試験が取得できるというメリットがあり、少しでも早く助産師として働きたいと考えている人にはおすすめです。
しかし、看護師・助産師どちらか一方の国家試験に不合格となってしまった場合、助産師になることができないので注意が必要です。
看護師・助産師を別々に受験するパターン
助産師になるための具体的なルートとして、看護師・助産師の国家試験を別々に受験するというパターンが挙げられます。
ダブル受験という方法が誕生する前は、最もポピュラーだったのがこのパターンで、高校卒業後、まずは看護師の国家資格を取得するために大学や短大、専門学校へ進学する必要があります。
2〜4年学校で看護学について学んだ後、看護師の国家試験を受験し、見事合格することができたらまずは第一関門突破となります。
次に、助産師の国家試験を受けるための大学院、専門学校、助産師養成所に入学し、1〜2年かけて勉強を行います。
1〜2年後の2月、今度は助産師の国家試験を受験し、見事合格することができれば、助産師として働くことが可能になります。
ダブル受験に比べて時間がかかってしまうこのパターンですが、別々に受験をするため、内容の濃い勉強ができたり、スケジュールが厳しくなりにくいというメリットがあります。
また、ダブル受験では片方の試験に合格していても、もう片方の試験に不合格ですと助産師になれないという注意点がありますが、別々に受験を行うこちらのパターンでは、そのような心配がいらないというメリットもあります。
多少時間はかかっても、確実に進んで行きたいと考えている人には、看護師と助産師の国家試験を別々に受験するパターンがおすすめです。
看護師として働きながら助産師を目指すパターン
助産師になるための具体的なルートとして、看護師として働きながら助産師を目指すというパターンがあります。
「看護師として働いているけど、助産師の仕事に魅力を感じた」など、看護師として働いているが助産師に魅力を感じ、転職活動をはじめるという人が最近増えてきています。
看護師として働いている人は、既に看護師の国家資格を取得しているため、大学院や助産師の養成学校に入学し1〜2年勉強するだけで、助産師の国家試験を受験することができます。
国家試験に合格し、無事助産師の国家資格を取得することができれば、助産師として働くことが可能となります。
現在では、日中は仕事をして夜に学校で勉強するなど、仕事をしている人向けのカリキュラムなども多く組まれているため、看護師として働きながら助産師を目指しやすい環境ができつつあります。
まとめ
助産師になるために必要な資格や国家試験、具体的にどうしたら助産師になれるのかなどについて詳しく紹介しました。
新たな命の誕生に立ち会うことのできる助産師になるには、2つの国家資格が必要となります。
2つの国家資格を取得するにはいろいろな方法がありますので、自分の進みたい道、経済状況や家族と相談しながら最適な方法を見つけてみてください。
助産師になりたいという人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。