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リハビリテーション分野で活躍する5つの国家資格を詳しく解説

  • 理学療法士

ケガや病気によって日常生活に支障をきたしている方に向けて行われるリハビリテーションは、国家資格をもっている方によって行われます。

過去にケガをしてリハビリテーションが必要になった方や、高齢の家族が利用するリハビリテーションを目の当たりにしていた方など、リハビリテーションと触れ合う機会があった方が専門職を目指す傾向にあります。

高齢化社会となっている日本において、リハビリテーション専門職の需要は高まっており、若いうちから専門職を目指す方や、キャリアチェンジとしてリハビリテーションを行う資格を目指す方もいらっしゃいます。

この記事では、リハビリテーションについて詳しくご紹介した後に、リハビリテーションを行える5つの国家資格をご紹介します。

リハビリテーションに興味があるという方は、ぜひ参考にしてみてください。

リハビリテーションとは

リハビリテーションは、機能障害や能力障害が生じた方に対して、機能や能力の改善を促す行為です。

まずは、リハビリテーションについて詳しくご紹介します。

リハビリテーションの語源

リハビリテーションとは「re(再び)」と「habilis(適した、ふさわしい)」というラテン語に由来した言葉を合わせてつくられた言葉です。

直訳すると「再び適合させる」という意味になりますが、機能回復を促すだけではなく、自分らしく生きることや社会の中で人間らしく生きることなどという意味が含まれます。

リハビリテーションという言葉はなんと第一次世界大戦中から使用されていたといわれていて、負傷した戦士に対して使用したことで1960年代後半には急速に広まっていきました。

1980年代にはリハビリテーションの目標の中に「QOL(生活の質)の向上」が重視されるようになったことで、高齢者の方に対する処置は寿命を延命するというよりも、QOLの維持向上に重点を置くようになったといわれています。

リハビリテーションの分野

リハビリテーションには医療分野だけではなくいくつか分野が存在し、各分野の活躍によって上記でご説明したような「自分らしく生きること」などが守られています。

以下はリハビリテーションの5つの分野です。

  • 医学的リハビリテーション
  • 職業リハビリテーション
  • 社会リハビリテーション
  • 教育リハビリテーション
  • リハビリテーション工学

リハビリテーションは、医学的なリハビリテーションのほかにも、助けを必要としている個人に対して、職業的、社会的、教育的に手助けをすることが目的とされています。

そのため、職業復帰や経済的に自立できるような手助けなども、リハビリテーションの一種として含まれます。

また、障害を抱えている方や加齢によって日常生活が困難な方に対しての社会的な手助けとして、ロボットスーツの開発やICTを利用したリハビリテーションなど、リハビリテーションには多種多様な役割が求められる時代となっています。

医学分野におけるリハビリテーションとは

リハビリテーションは「再び適合させる」という意味だとお伝えしましたが、医療現場においてのリハビリテーションは、障害や病気を治しもとの状態に戻すという意味だけではありません。

もちろん、リハビリテーションを行うことで障害や病気にかかる前の状態に戻れることは患者さん本人も希望することですが、必ずしもその希望が叶うわけではありません。

完全な復帰が難しいケースでは、生活をするうえで欠かせない運動上の障害、言葉の障害、知性の障害などをさらに重くなることがないように予防するというリハビリテーションが行われます。

医療現場で行われるリハビリテーションは、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、医師、看護師などの医療専門職がチームを組んで行い、心身機能の回復や維持、予防などを目指して行われます。

リハビリテーションに携わる5つの国家資格

前述のように、医学分野におけるリハビリテーションは各専門職の方々によってチームを組んで行われます。

ここからは、実際にリハビリテーションに携わる資格として5つの国家資格をご紹介します。

理学療法士

理学療法士は、ケガや病気、高齢や手術が原因で運動機能が低下してしまった方に対して運動機能の維持や改善を目的として理学療法を行います。

基本的に「座る、立つ、歩く」などの大きな動作を主に維持、改善させるような治療となり、日常生活を送るために基本的に必要な動作を行えるようサポートすることで支援します。

理学療法士は、医師の指導のもと医学的、社会的な観点から患者さん一人ひとりに合わせた目標を立て、プログラムを作成していく資格です。

理学療法士になるためには、養成校に指定されている学校へ入学し、年に1度実施される国家試験に合格することが必要となります。

作業療法士

理学療法士が基本的な大きい動作をサポートするのに対して、作業療法士は応用的な動作をサポートします。

たとえば、料理をする、顔を洗う、字を書くといった作業で、歩く、立つといった日常動作に加えて生活するうえで必要不可欠な動作のことを指します。

さらに、作業療法士は精神分野のリハビリテーションを行うこともあるため、精神科のある病院などで活躍している作業療法士の方もいらっしゃいます。

例えば「着替え」という動作をサポートする際、着替えやすい方法を伝えることだけではなく、腕が麻痺していて着替えがうまくできない方には腕のトレーニングを行うこともあります。さらに、着替えの仕方がわからないという精神的な理由の場合は精神面や認知機能面からのサポートを行うのが作業療法士の役割となります。

作業療法士になるためには、理学療法士と同様に養成校に通い、国家試験に合格することで国家資格を取得できます。

言語聴覚士

言語聴覚士は、病気やケガ、発達上の問題などから言語、聴覚、発声、発音などの機能が損なわれてしまった方に対してリハビリテーションを行います。

言葉によるコミュニケーションは、人にとって欠かせないものですが、言語障害や音声障害などでうまく言葉のコミュニケーションが取れなくなってしまう場合があります。

言語聴覚士は、問題の本質やなぜそのような状態になってしまったのかという発現メカニズムを明確にし、対処法を見出すことで患者さんの手助けをします。

さらに、言語や聴覚の問題だけではなく、嚥下障害といった「うまく食べ物を飲み込めない」「上手に食べ物を噛めない」という障害にも対応したサポートを行うのが特徴です。

言語聴覚士になるには、他の国家試験資格と同様に、言語聴覚士の養成校に通ったあとに国家試験に合格し、免許を申請する必要があります。

視能訓練士

視能訓練士とは、眼科で検査や矯正訓練を行う資格で、主に視機能訓練、集団検診、斜視、弱視、ロービジョンケアの4つを行います。

眼科へ行くと、医師の診療を受ける前に視能訓練士による検査を受けることとなります。その検査が正確に行われていることで、医師が正確な診断を下すことが可能となっています。

眼科で行われる検査は、視力検査のほかにも以下のようなさまざまな検査が存在します。

  • 屈折検査
  • 眼圧検査
  • 視野検査
  • 眼底、前眼部の写真撮影および解析
  • 角膜形状検査
  • 超音波検査
  • 眼筋機能検査
  • 斜視弱視訓練 など

これらの複雑な検査を、特殊な機械を用いて眼科領域における専門技術者として行います。患者さんは乳幼児から高齢者までさまざまで、眼に関する健康を守るために患者さんの手助けをする職業です。

視能訓練士も、国家資格となりますので、養成校に通った後に受験資格を得て国家試験を受験する必要があります。

柔道整復師

日本では昔から「ほねつぎ」として広く知られている柔道整復師は、骨折や脱臼、打撲、捻挫、挫傷などの損傷に対して、手術をせずに非観血的療法によって治療を行います。

柔道整復師が働くのは主に整骨院や接骨院で、上記のような怪我のほかにも頭痛や冷え性の治療、マッサージを行う柔道整復師の方もいます。

柔道整復師は、唯一医師の同意なく骨折や脱臼の治療ができる資格で、整復法、固定法、後療法を用いてケガの治療を行います。

介護や福祉の現場でも機能訓練指導員として働くことができる柔道整復師は、高齢者の方に対してQOLを向上させるためのトレーニングなどを行うこともあります。

柔道整復師になるためには、国家試験受験のために大学や短大、専門学校へ通い受験資格を得る必要があります。

まとめ

リハビリテーションについてと、リハビリテーションを行える資格について詳しくご紹介しましたが、参考になりましたか?

リハビリテーションを行うさまざまな資格は、現状起こっている病気やケガによる身体の回復、改善を目指して患者さんのサポートをします。

リハビリテーションは古くから使われていた言葉で、現在は医療分野だけではなくさまざまな分野が協力して、障害や加齢によって思うように日常生活を送ることができなくなってしまった方の手助けや、QOLの改善をしています。

そのなかでも、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が一般的にリハビリテーションに携わる職種として認知されていて、高齢化社会が進むなかでますます需要が高まるとして注目されている職業です。

埼玉県幸手市にある「日本保健医療大学」では、看護学科と理学療法学科が設立されており、今後リハビリテーション業界を担う若者を育成しています。

理学療法学科では「一人ひとりに目をかけ声をかけ時間をかける」「未来の可能性を伸ばす」「優れた教育環境」の3つのポイントによって、生徒の可能性を伸ばす教育を行っています。

丁寧な教育と丁寧な学生指導によって、将来理学療法士として勤務する際に必要となる教育を提供しています。

リハビリテーションに興味がある、将来理学療法士を目指したいと考えている方は、学習面から生活面までのサポートが充実している「日本保健医療大学」までお気軽にお問い合わせください。