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理学療法士が取得するとよい5つの資格とキャリアプランを紹介

  • 理学療法士

これから理学療法士を目指そうとしている方も、現在理学療法士として働いている方も、理学療法士にはどのようなキャリアプランがあるのか?というのは気になりますよね。

自信の先行きが不透明なまま仕事を続けていくよりも、明確な目標をもって取り組む方が仕事も面白くなり、毎日の活力にも繋がります。

この記事では、理学療法士がキャリアアップできる資格と、キャリアプランについてご紹介します。

理学療法士には、どのようなキャリアプランがあるのかと疑問をもっている方は、ぜひ参考にしてみてください。

理学療法士がキャリアアップできる資格

国家試験に合格すれば、理学療法士として勤務することができますが、理学療法士のほかにもさまざまな資格を取得することで、今後のキャリアアップに役立つため覚えておきましょう。

まずは、理学療法士がキャリアアップできる資格を5つご紹介します。

認定理学療法士

認定理学療法士は、2010年からスタートした比較的新しい制度で、取得者は全体の6%ほどと、取得している理学療法士は少ない資格です。

さらに、例えば病院勤務をしていて、認定理学療法士の資格を取得したからといって、給与に反映されるわけではないため、取得する意味があるのかと感じている方が多いようです。

しかし、認定理学療法士は7つの専門分野(基礎、神経、運動器、内部障害、生活環境支援、物理療法、教育・管理学療法)から1つ以上を選び、その分野において臨床技術や知識を高めるとともに、研究能力も求められます。

そのため、豊富な知識を得ることで質の高いリハビリテーションを行えたり、転職したいと考えたときに有利に働いたりする資格です。

「認定理学療法士ポイント取得マニュアル」によると、認定試験に必要な申請条件は以下のポイントを合計180P取得することが必要となります。

  • 新人教育プログラムが終了していること(20P)
  • 希望領域を含む専門分野登録をしてから2年以上経過していること
  • 希望領域に該当する有効期限内の認定必須研修会を受講していること(20P)
  • 有効期限内の協会指定研修を受講していること(40P)
  • 上記の条件を全て満たし、かつ上記とは別のポイントとして、各領域の履修要件に即したポイント100Pを取得していること(100P)

これらのポイントをためて申請を行い、通過すると認定試験を受験することができます。

専門理学療法士

専門理学療法士は、認定理学療法士の上位資格となっており、難易度が高い資格で、会員数に対して1割弱しか取得していないのが現状です。

認定理学療法士と同じように、7つの専門分野から1つ以上を選択して専門性を高めます。

専門的な知識を身につけることで、今後理学療法士として活躍の幅が広がり、専門の領域においてスペシャリストとなることができます。

専門理学療法士の資格を取得している方は、全国的に見ても少なく、他の理学療法士とは違い1つの分野において専門性の高い処置を施すことができるため、勉強会や研修の講師として登壇する機会もあるでしょう。

専門理学療法士の資格認定を申請するためには、以下の条件が必要です。

  • 新人教育プログラムを修了する
  • 7専門分野から1つ以上を登録
  • 学術的な研鑽を積み560ポイントの取得を目指す

これらの過程を満たし、必要書類と申請料を支払うことで資格認定の申請を行い、認定審査に合格すれば専門理学療法士となります。

心臓リハビリテーション指導士

心リハ指導士とも呼ばれる心臓リハビリテーション指導士は、特定非営利活動法人日本心臓リハビリテーション学会が2000年に発足しました。

心臓リハビリテーション指導士は、心疾患の再発予防を含めた心臓リハビリである運動療法に加え、食事療法、禁煙指導など包括的なリハビリを目指すチーム医療の中心となる人物です。

以下は心臓リハビリテーション指導士の認定試験を受ける条件です。

  • 講習会の受講
  • 医師、看護師、理学療法士、臨床検査技師、管理栄養士、薬剤師、臨床工学技士、臨床心理士、公認心理士、作業療法士、健康運動指導士のいずれかの資格を取得している
  • 心臓リハビリテーション学会の会員として2年以上継続して会員歴がある
  • 心臓リハビリ指導の実地経験が1年以上ある、または心臓リハビリ研修制度によって受験資格認定証を交付されている

この条件を全て満たしているとともに、出願時には症例レポートを10部添付する必要があります。

2019年7月に行われた認定試験によると、理学療法士の合格率は73.6%となっており、全体の平均である73.5%とほぼ同じ数値となることから、理学療法士として受験する方の合格率が高いことがわかります。

試験内容は50問/60分からなる択一式の筆記試験です。

心臓リハビリテーション学会が発行している、試験対策テキストに加え、循環器疾患についてよく把握する必要があり勉強する範囲は広いため、より専門性を高めたい方が目指す資格となります。

呼吸療法認定士

呼吸療法認定士とは「特定非営利活動法人日本胸部外科学会」「一般社団法人日本呼吸器学会」「公営社団法人日本麻酔科学会」が創設した認定制度で、正式には「3学会合同呼吸療法認定士」といいます。

高齢化が進むなかで、重症患者に行われる高度医療の重要性が問題視されていました。高度医療のなかでも、呼吸療法を行える人材が少ないという問題を解決するために、3学会が合同で設立した資格となります。

呼吸療法認定士の認定試験を受験するためには、認定講習会を受講する必要があります。

認定講習会の受講条件は以下です。

  • 臨床工学技士(2年以上)、看護師(2年以上)、准看護師(3年以上)、理学療法士(2年以上)、作業療法士(2年以上)の経験をもつ者
  • 申請書類提出日から過去5年以内に認定委員会が認める学会や講習会などの出席によって12.5点以上を取得している者

2019年に実施された認定試験では、受験者数4774名に対して合格者数は3210名、合格率は67.2%という結果でした。

そのうち理学療法士は1269名と、全体の約40%を占めています。

認知症ケア専門士

認知症ケア専門士は、2005年に制定された新しい制度でありながら、資格の知名度が高く転職に有利に働く資格です。

一般社団法人日本認知症ケア学会が主催する民間資格で「認知症ケアに対する優れた学識と高度の技術、および倫理観を備えた専門技術士を養成し、わが国における認知症ケア技術の向上ならびに保健、福祉に貢献する」ことが目的となります。

受験資格は「認知症ケア関連機関や団体において、受験年より10年以内に3年間の実務経験があること」とされていて、実務経験以外の資格は必要ありません。

試験は一次試験と二次試験からなり、一次試験はマークシート、二次試験は面接とスピーチ、ディスカッションとなります。

医療だけではなく、介護や福祉の現場で活躍する理学療法士の方は、認知症ケア専門士の資格を取得することで認知症に悩む方のケアはもちろん、認知症を知るきっかけをつくるような存在となることができます。

理学療法士のキャリアプラン

理学療法士として働くキャリアプランとしては、いままでご紹介してきたような資格を取得し、専門性を高めてスペシャリストを目指すか、管理職を目指しジェネラリストになるかで大きく変わってきます。

ここからは、理学療法士のキャリアプランをご紹介します。

スペシャリストを目指す

自分が得意とする分野の専門性を追求したい方は、技術を磨きスペシャリストの道を目指すことをおすすめします。

スペシャリストを目指す方は、これまでご紹介した資格を取得したり、勉強会に積極的に参加したりしながら知識と技術を習得していきます。

さらに、大学院へ進学して学術的な研究をするという道もあります。

臨床現場で働き続けたい、得意な分野で活躍し続けたいと考える方は、スペシャリストに向いているといえます。

ジェネラリストを目指す

理学療法士として専門的な分野での活躍というよりは、部下のマネジメントに興味がある方は、ジェネラリストを目指すことで、出世への道も開けてきます。

ジェネラリストを目指すには、問題解決能力やマネージメントスキルが重要となります。

理学療法士だけをまとめるのではなく、チームのマネージャーとなるためには医師や看護師との連携も重要となります。

病院や介護施設の経営や、施設全体の問題点なども視野に入れながら行動する必要があるため、物事を一点ではなく多方から、全体的に見る目も必要となります。

また、さまざまな資格を取得し、専門性を高めながら管理職として働く道ももちろんあります。

これまでご紹介してきたように、専門性を高めるための資格取得は、日々の努力や経験が重要となります。

努力を重ねつつ、広い目で周りを見ながらマネジメント経験を積む必要はありますが、やりがいのある仕事になることは間違いありません。

まとめ

理学療法士としてのキャリアプランは、専門分野の知識力を高め、その分野においてのスペシャリストになるか、管理職を目指しジェネラリストになるか、大きく2つに分けられます。

スペシャリストとして活躍したい方は、得意とする分野を見つけ、その分野で活かせる資格を取得すべきでしょう。

資格を取得することで、転職に有利に働いたり、講演会に呼ばれたりする機会もあります。

また、ジェネラリストとして働きたい方は、管理職を目指しマネージメントスキルを身に付ける必要があります。

現在理学療法士を目指している方にとっては、まずは理学療法士の資格取得から、ということにはなりますが、将来働く姿をイメージして、その姿に向かって突き進むことでモチベーションを高めながら勉強をすすめていきましょう。

埼玉県幸手市にある「日本保健医療大学」では、優れた教育環境で理学療法の専門知識を学ぶことができます。

教職員が学習面でも生活面でも生徒一人ひとりを丁寧にサポートするため、将来どのような理学療法士になりたいのかも、相談しながら勉強をすすめることができます。

理学療法士を目指している方は、ぜひお気軽に「日本保健医療大学」までお問い合わせください。