看護師のキャリアプランとは?実現するためにやるべき4つのこと
- 看護師

看護師は、今や高校生がなりたい職業の上位に入るほど人気の職業です。医療の進歩や感染症の拡大などで、人々の健康を守る医療の仕事に就きたいと考えている方も増えてきています。
看護師の基本的な仕事内容は、医師が診療を行う際のサポートや患者さんの心身のケアなどです。しかし実際のところ、働く場所や持っている資格の種類で働き方が違ってくることは、あまり知られていません。
実際に看護師として働いている方の中には、自分がこの先どのような看護師になりたいか、どんな働き方をしたいかなどを考えて、キャリアプランを立てる方もいます。
看護師に限らず、自分のキャリアプランを立ててそれに向かって進んでいくのは、とても大切なことです。
この記事では、看護師のキャリアプランについて詳しくご紹介します。看護師になりたい方やキャリアプランにお悩みの看護師の方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
目次
看護師のキャリアプランとは
自分が将来どんな看護師になり、どのような道を歩みたいかを考えたことがある方も多いのではないでしょうか。
実は看護師は、さまざまなキャリアプランを描くことができる職業です。ここでは、看護師のキャリアプランについてご紹介します。
キャリアプランとは
キャリアプランとは、自分が持っているキャリアの目標を達成するための計画のことです。将来どのような職場で働き、どんな経験を積み上げていくかを考えます。
看護師にとっての具体的なキャリアプランとは、以下のようなことです。
- 看護師としての勤務年数を重ね、経験を積んでスキルアップする
- 専門分野に関わる資格を取得する
- 看護師を数年間経験し看護学校の先生になる
- 国際看護師になってNPO法人に協力する
キャリアプランを立てるためには、5年後や10年後にこうなっていたいという長期的な視野をもつことと同時に、それを実現するために3ヶ月後はこうしようなど細かく区切ることも大切です。
また、キャリアプランと似た言葉に、キャリアパスという言葉があります。
キャリアプランは自分自身が計画するものです。その一方キャリアパスはキャリアアップのためのプロセスを会社が計画し提示します。
看護師のキャリアパスの例としては、看護師がスキルや能力向上できるように、勤務先である病院が研修を行う取り組みなどです。現在勤めている病院や施設などでの仕組みであるため、病棟内のリーダーや看護部長などを経験しながらステップアップしていきます。
ひと昔前、終身雇用が一般的だった時代では、ひとつの勤務先での仕事を遂行していれば、いつの間にかキャリアアップできていました。しかし、現代は年功序列のようなキャリアアップが保証されないケースも多くあります。そのため、自分でキャリアプランを描き、それを実践していくことが重要です。
将来どんな看護師なりたいか考える
看護師としてキャリアアップしていくためには、将来自分がどんな看護師になりたいか考えなければいけません。
看護師のキャリアプランとしてよく耳にするのが、「スペシャリスト」と「ジェネラリスト」という言葉です。近年、医療はますます高度になり、看護師はこれまで以上に高度で専門的な技術や知識が求められるようになってきました。
スペシャリストとは特定の分野に関する知識とスキル、経験をもち、その分野で力を発揮できる看護師のことです。イメージしやすいところでいうと、認定看護師や専門看護師などの資格です。
一方、ジェネラリストは広い分野に一定レベルの知識と技能をもっている看護師のことをいいます。看護師として、どんなときも臨機応変に活躍できるイメージがある方も多いのではないでしょうか。
ただし、看護師としてのキャリアはこの2つだけではありません。看護管理者や研究教育者などさまざまな道があります。自分の適性も含めて目標を決めるとよいでしょう。
また、これから看護師になるために勉強したいと思っている方は、どの学校で看護を学ぶかも大切になってきます。
選択肢としては、4年制看護大学、看護短期大学、看護専門学校などがあります。将来自分がなりたい看護師の姿を想像して、それに適した学校を選ぶようにしましょう。
キャリアプランを実現するためにやるべき4つのこと
看護師のキャリアプランは、できるだけ早く立てておく必要があることをご存知ですか?看護師になったものの、なんとなく働いているだけではいざ「あの分野で働きたい」と思っても手遅れになってしまうかもしれません。
そうならないためにも、早いうちからキャリアプランを立てて実現のためにできることを実践していかなくてはならないのです。
では、実際にキャリアプランを立てている看護師の先輩たちは、具体的にどのようなことをしているのでしょうか。ここでは、キャリアプランを実現するためにやるべき4つのことについてご紹介します。
情報を収集する
看護師の職場は多種多様です。超高齢化社会を迎えた現代、患者さんと関わる機会の多い看護師のニーズはさらに高まりをみせ、病院以外でもその知識やスキルを求められるようになりました。
このように仕事の幅も広がってきている今だからこそ、キャリアプランを実現するためにしっかりと情報を収集する必要があるのです。
また、キャリアプランが確立していない方についても、情報収集は非常に大切です。
看護師業界は常に人手不足です。そのため、求人数も多く転職しやすい環境にありますが、情報を収集せずになんとなく就職や転職をしてしまうと、後悔することになるかもしれません。
インターネットを活用してみたり、先輩看護師や同僚など周囲の人に相談したりすることで、自分がなりたい看護師像が定まる可能性があります。また、興味のある分野が明確な方は、実際にその場所を訪れて自分の目で確認してみるのもひとつの方法です。
直接自分の目で見てみると、将来の自分の姿をイメージしやすくなるのではないでしょうか。
知識を得るためにセミナーなどに参加する
看護師は、常に知識と技術をアップデートする必要がある職業です。新しい知識を得ることは、自分のキャリアアップや意識の向上に直接つながるためおすすめです。
自分の職場で開催されているセミナーや勉強会に参加してもよいですし、外部で行われているものでもよいでしょう。外部のセミナーでは、その分野の著名な講師から直接指導を受けられるため、よい勉強になります。
セミナーや勉強会などは、最新の看護知識や技術だけでなく、専門知識を深められるものも多く開催されています。
キャリアプランのある方は、それに適したセミナーなどに参加するとよいでしょう。
反対に、キャリアプランが定まっていない方は、少しでも興味のあるものに参加してみると、そこから世界が開けるかもしれません。ぜひ興味のある分野のセミナーや勉強会を見つけてみてください。
自己学習をする
すでにキャリアプランを立てている方の多くは、実現に向けて自己学習を行っているようです。
たとえば、自己学習のためにe-ラーニングやポートフォリオなどを利用するのもよいでしょう。
e-ラーニングとは、パソコンやスマホなどで学習できるサービスや商品のことです。通勤や休憩中、帰宅後など自分の好きな時間に講義の動画を閲覧できます。
ポートフォリオとは、個人の学習記録や目標、そのために実践したことなどを残す方法です。ポートフォリオを利用することで、自分自身のスキルや能力がどれだけ上がったかを確認できます。
「看護師としてどうなっていきたいか」
この目標が明確になるため、自身の成長につなげることができます。
役立ちそうな資格を取得する
看護師がキャリアプランを実現するためには、それに役立ちそうな資格を取得するのが近道です。以下は、看護師のキャリアアップにつながる資格の例です。
専門看護師
13の専門分野に特化し、幅広い範囲で活躍できる看護師。5年以上の実務経験と看護系大学院で修士課程を修了後、専門看護師認定審査を受験。
認定看護師
21の特定分野で高い技術と知識を持っていると認定された看護師。5年以上の実務経験と、認定看護師教育機関での教育課程終了後、認定看護師認定審査を受験。
認定看護管理者
質の高い看護を提供するために組織やスタッフを円滑に取り締まれると認められた看護師。
5年以上の実務経験と、510時間以上の認定看護管理者教育課程の修了、もしくは大学院にて看護管理の修士号を取得後、認定看護管理者審査を受験。
ケアマネージャー
要介護、要支援の高齢者や障害者に向けた最適なケアプラン作成やサービス実施施設との橋渡しをする。
看護師資格取得後、5年以上、900日以上実務経験を経て介護支援専門員実務研修受講試験を受験。合格後、実務研修87時間以上を修了。
臨床心理士
臨床心理学の知識に基づき、患者さんの心のケアに直接関わる資格。指定の大学院を修了後、筆記試験と面接を受ける。
保健師
主に地域住民の保健指導や健康管理を行うための国家資格。看護師資格を取得し、指定の保健師養成学校で1年以上学んだ後、保健師国家試験を受験。
看護師として勤務しながら保健師養成学校で学ぶことも可能。
助産師
出産時の介助や新生児のケアをするための国家資格。看護師資格を取得し、助産師専門教育機関や助産専門学校、助産過程のある4年制看護大学などで1〜2年間学んだ後、助産師国家試験を受験。
福祉住環境コーディネーター
高齢者や障害者の住居、日常生活で使用する道具などをより使いやすく、生活しやすい環境に整備するためのアドバイスを行う資格。受験資格はとくになく筆記試験を受験し合格すれば取得可能。
資格を取得すると自分のキャリアアップだけでなく、患者さんにより高度な看護を提供することにもつながります。取得までの道のりは簡単なものではありませんが、そこで学んだことは決して無駄ではありません。
ただし、学校で必要な単位を履修して国家試験受験資格を取得しなければならない資格もたくさんあるため、進路を決めるときは最初からそのことも考えておくとスムーズにキャリアプランを実現できます。
まとめ
看護師のキャリアプランについて詳しくご紹介しました。
看護師は、専門職としての可能性は無限大ともいえる職業です。だからこそ、自身のキャリアについてしっかりと考えて働いたり、進路を決めたりすることが大切です。看護師としてやりがいをもって活躍するためにも、今回ご紹介したことを実践してみてくださいね。
「日本保健医療大学」は高度な技術と専門性を兼ね備え、これからの時代のニーズに適した看護師を育成する教育環境が整っています。看護師としてのキャリアプランを実現するために、看護師国家試験受験資格だけでなく、保健師や養護教諭二種の資格も取得できます。
すでに看護師としてどのようになりたいか決まっている方も、進路にお悩みの方も、「日本保健医療大学」までお気軽にお問い合わせください。