医療の分野だけではなく、介護の分野でも活躍を見せている理学療法士は、近年人気がある職業となっています。

しかし、実際働くとなると「給与面はどのようになっているのか？」「昇給などはできるのか？」という疑問をもっている方も少なくありません。

この記事では、理学療法士の年収についてと、理学療法士が高収入を目指す5つの方法をご紹介します。

これから理学療法士を目指そうと考えている方、現在理学療法士の国家試験に向けて勉強中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

理学療法士の年収

理学療法士は「Physical Therapist」を略してPTとも呼ばれる職業で、ケガや病気によって後遺症のある方や、加齢によって日常動作が難しくなっている方に対して「立つ、歩く、座る」などの基本的な動作の回復を目指しリハビリをサポートします。

そんな理学療法士の年収は一体どのようになっているのでしょうか？

まずは、理学療法士の年収についてご紹介します。

理学療法士の平均年収

厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査 / 令和２年賃金構造基本統計調査（順次掲載予定） 一般労働者 職種」によると、令和2年の理学療法士（作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士を含む）の平均年収は、33.5歳で約427.9万円となります。

全国の平均年収が同じ年代の30～34歳だと470万円となるため、全国平均に比べるとやや低めですが、平均的な給与を得られる職種といえます。

平均年収は、医師や看護師に比べると低めですが、准看護師や歯科衛生士と比べると高いため、医療業界の中では年収は高い職種となります。

理学療法士の初任給

大学や専門学校を卒業して、新卒として就職した場合の理学療法士の初任給は、23.5万円程度とされています。

新卒は能力や技術に大きく差がないことから、どの施設でも平均的な給与で雇用する傾向にあります。

一般的に大学初任給の相場が20.5万円程度なので、一般企業に就職するよりも理学療法士として資格を取得して就職するほうが、初任給は高くなることがわかります。

女性と男性の初任給の差も大きく開いていることはなく、理学療法士の会員数も男女比が6：4であることから、女性も活躍しやすい職場であるといえます。

施設の大きさによる年収の特徴

理学療法士の施設の大きさ別の年収は以下になります。

月額の給与に大きく違いはないものの、1000人以上雇用している大型施設になると、年間賞与の額で差が出ていることがわかります。

結果的に年収ベースで見ると、大きな施設は年収が高くなるという傾向にあるようです。

また、具体的な例でいうと、国公立の医療施設は初任給が低めに設定されていますが、昇給率が高く、私立の施設は初任給が高めですが昇給率は低いという特徴があります。

さらに、上記の表からもわかるように、雇用数が少ない個人経営の整形外科医院などは、年収が低めになる可能性もあります。

男女・年齢によって年収に差が出るか

理学療法士は実は年齢層が低く、20代の割合が多いとされています。

1965年に国家資格が制定された理学療法士は、その後社会的な認知度や資格をもっている方の数が低く、問題視されていました。

その後、1999年に規制緩和が行われ養成校が急増したことによって、2020年3月末の時点での有資格者の累計は約18万人となるほど、理学療法士の資格を取得する方が増えています。

そのような背景から、理学療法士は40歳以下が約72％を占めているほど、26～30歳の若い世代が多い職業となっています。

しかし、厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査 / 令和２年賃金構造基本統計調査（順次掲載予定） 一般労働者 職種」によると年齢が上がるにつれて役職なども上がることから年収は上がる傾向にあります。

以下は令和2年の男性、女性別、年齢別の理学療法士の月額給与です。

女性と男性の初任給に変わりはなく、女性が活躍しやすい職場である一方で、女性の給与アップは緩やかで、年齢を重ねると男性の方が月額は高いように見えてしまいます。

しかし、40歳以上の給与は、前述したように養成校が急増し理学療法士を目指す人が増える前に理学療法士になった方の可能性が非常に高く、今後活躍する女性が増えることで、この表の見え方も変わってくる可能性があります。

理学療法士が高収入を目指す方法

若い方が多いため、平均年収が低く見えがちな理学療法士ですが、年収をアップさせる方法もいくつかあります。

ここからは、理学療法士が高収入を目指す方法をご紹介します。

昇進する

働いている施設にもよりますが、スキルアップや昇進、昇格することによって収入アップを見込めます。

例えば病院であれば、チーフなどの管理職になれば手当が増額され、給与があがります。理学療法士は、若い世代でも昇進できることが期待されるのも特徴となります。

管理職に就くためには、理学療法士としての技術や知識を日々学んでいくことと同時に、部下のマネジメント能力も必須です。

施設ごとに昇進に関する基準は異なるため、自分が働く施設でどのような基準に達すると昇進できるのかを確認するようにしましょう。

別の資格も取得する

理学療法士として働くだけではなく、そのほかの資格も取得しておくことで、キャリアアップを見込めます。

以下は、理学療法士が取得することでスキルアップに役立つ資格です。

認定理学療法士

認定理学療法士は、専門性の高い知識を身に付け、理学療法の発展に貢献するような研究能力が求められる資格です。

日本理学療法士協会によって7つの専門分野が定められており、そのうち1つ以上を選択することで、自分が選択した分野においてスペシャリストとなることができます。

専門理学療法士

専門理学療法士は、専門分野の知識を深めた人が取得できる資格で、認定理学療法士と同様に7つの専門分野から1つ以上を選択することとなります。

専門理学療法士は、認定理学療法士の資格を取得したあとに目指す資格となります。

独立する

理学療法士として独立したい方は、日本では残念ながら理学療法士の資格だけでは、医療保険の対象になる事業を開業できないため、一緒に柔道整復師の資格を取る方が多いです。

柔道整復師は、柔道整復術を用いて「骨折、脱臼、ねんざ、打撲、挫傷」などのケガを自ら手技によって治療します。

理学療法士は医師の指示のもと患者さんを治療するのに対して、柔道整復師は医師の指示なしに患者さんに治療を施すことができます。

柔道整復師と同じような資格で、鍼灸師も整骨院や接骨院を開業することができるため、将来的に開業したいと考えている方は、柔道整復師や鍼灸師の資格を取得することをおすすめします。

また、アメリカなどのリハビリテーション先進国では、理学療法士に開業権が認められているため、その国の理学療法学科に入学し、国家資格を受けることによって海外での開業も叶います。

日本で取得した単位を変換できるケースもあるため、海外で働いて開業したいと考えている方は、その国についての下調べを行うようにしましょう。

セミナーを開催する

理学療法士や作業療法士に向けて、セミナーを行うという方法もあります。

新型コロナウイルス感染症の影響によって、オンラインセミナーも増えているため、普段の業務に支障をきたすことなく、セミナーを開催することが可能です。

自分自身でSNSなどを利用しながら集客するのもよいですが、セミナーの講師を探しているような企業を探して契約するのもおすすめです。

副業をする

理学療法士としての知識を活かして副業をするという方法では、以下のような職種で活躍できます。

• スポーツトレーナー
• インストラクター
• ライター　など

スポーツトレーナーは、スポーツ選手のケガのリハビリや予防、身体動作の指導などを行います。プロのスポーツチーム、地域や企業のスポーツチームなどと個人契約を結び、副業として活躍できます。

さらに、ジムのインストラクターとして働くこともできます。プライベートな空間で行うパーソナルトレーニングを行うジムも増えているため、インストラクターとしての需要は高まっているといえます。

文章を書くことが好きな方は、ライターや記事の監修という自宅でできるような副業も人気です。

未経験でもすぐにはじめることができるため、理学療法士としての知識を活かした記事や、専門家として記事を監修するなど、隙間時間を使ってできるケースもあります。

まとめ

理学療法士は、一般の会社員と比べると平均収入が高いといえる職業ではありませんが、高齢化社会によって今後需要が拡大していくことから、資格の取得をしたいと考える方も増えている魅力的な職業です。

記事内でご紹介したような高収入を得る方法もあるため、収入が不安だという方もスキルアップや昇進を目指して日々努力することが重要です。

埼玉県幸手市にある「日本保健医療大学」では、理学療法学科において理学療法士を目指すことができます。

理学療法学科では「一人ひとりに目をかけ声をかけ時間をかける」「未来の可能性を伸ばす」「優れた教育環境」の3つのポイントに力を入れています。

丁寧な教育と丁寧な学生指導、生徒個人へのさまざまな取り組みやサポート、最新の医療の場に準じた教育環境を整え、皆さんの入学をお待ちしております。

理学療法士に興味があるという方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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