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看護師国家試験の受験資格を取得するための4つの方法

  • 看護師

看護師は、保健師助産師看護法によって定められた資格で、厚生労働省が施行する看護師国家試験に合格することが義務付けられています。

病気や怪我で苦しんでいる患者さんの療養上のケアや医師の診療の補助など、患者さんともっとも接する機会の多い医療従事者として非常に重要な役割を担っています。

近年、高齢化や感染症の拡大で看護師の需要はさらに高まっており、活躍の場も増えていることから、より専門的な知識をもった看護師が求められる時代になってきました。

看護師になるには、看護師国家試験に合格する必要があり、そのためにはまず受験資格を取得するために、専門知識を学べる学校で所定のカリキュラムを履修する必要があります。

看護師を目指している方の中には、看護師国家試験に対して不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、看護師国家試験の詳しい情報と看護師国家試験の受験資格を取得するための4つの方法についてご紹介します。

看護師国家試験とは

看護師国家試験とは、受験資格を満たしている方に対し、看護師として必要な知識や技術をもっているか図るための試験です。看護師の国家資格を得るためには、この看護師国家試験を必ず受けなければなりません。

国家試験と聞くと尻込みしてしまいそうになりますが、看護師国家試験は養成機関でしっかりと学び対策を行えば合格できる確率が高い試験です。

ここでは、看護師国家試験について詳しくご紹介します。

看護師国家試験は2月中旬

看護師国家試験は以下の全国11か所の都道府県にて年に1度、2月中旬頃に1日かけて行われます。

  • 北海道
  • 青森県
  • 宮城県
  • 東京都
  • 新潟県
  • 愛知県
  • 石川県
  • 大阪府
  • 広島県
  • 香川県
  • 福岡県
  • 沖縄県

毎年同じ時期に試験が行われているので、その時期をめがけて勉強を進めるとよいでしょう。

看護師国家試験は、学生だけでなく受験資格をもっていれば誰でも受験できます。例年、書類提出期間は11月から12月頃ですが、正確な日程は厚生労働省から8月上旬に発表があるのでよく確認しておかなければいけません。

試験当日は冬の寒い時期なので、家から試験会場までの距離が遠い方は、前日から会場付近に宿泊しておくなどの備えが必要となります。

また、インフルエンザが流行している時期でもありますので、体調管理も非常に大切です。

看護師国家試験の受験科目は10科目

看護師国家試験の受験科目は、以下の10科目です。

  • 人体の構造と機能
  • 疾病の成り立ちと回復の促進
  • 健康支援と社会保障制度
  • 基礎看護学
  • 成人看護学
  • 老年看護学
  • 小児看護学
  • 母性看護学
  • 精神看護学
  • 在宅看護論および看護の統合と実践

試験内容は、厚生労働省の看護国家試験出題基準にもとづいています。

出題問題数は以下の通りです。

  • 必修問題50問
  • 一般問題130問
  • 状況設定問題60問

上記を合計した240問が出題されます。記述式の問題はなく、選択問題や数字を回答する問題などを1日かけて回答していきます。写真などの視覚素材を用いた問題も出題されるので、対策が必要です。

ここで注意したいのが、必修問題です。必修問題は80%以上の正答率をクリアしなければ、他の問題がどれだけ合っていても不合格になってしまいます。

一般問題と状況設定問題については毎年ボーダーラインが変動するので、まずは確実に必修問題で80%以上正解できるように勉強した方がよいでしょう。

看護師国家試験の合格率は90%以上

実は、看護師国家試験の合格率は90%以上と非常に高く、しっかり勉強していれば受かる試験であることがわかります。

年度 看護師国家試験合格率
平成28年度 96.3%
平成29年度 94.7%
平成30年度 94.7%
令和元年度 94.7%
令和2年度 95.4%

受験者数は例年5万人から6万5千人程度で、そのうちの90%以上が合格していることになります。看護師国家試験は、あくまでも看護師になるために必要な基礎知識を問うもので、ふるいにかけるためのものではありません。

養成機関で学んだことや試験の傾向を掴んで対策すれば、合格は難しくないでしょう。

看護師養成課程のある学校で3年間以上学ぶ

看護師国家試験は、独学で勉強しても受験できません。高校卒業後、看護師養成学校や大学などで看護師になるために必要な課程を経た者のみが受験資格を得られるのです。

以下は、看護師国家試験の主な受験資格です。

  • 文部科学大臣の指定した大学で看護師になるために必要な学科を履修し卒業した者
  • 文部科学大臣の指定した学校で3年間以上看護師になるために必要な学科を履修し卒業した者
  • 都道府県知事の指定した看護師養成所を卒業した者
  • 准看護師免許取得後3年以上業務に従事している者
  • 准看護師免許取得後、指定大学や指定学校または養成所で2年以上修業した者

看護師国家試験を受験するためには、文部科学大臣の指定した看護系大学や専門学校、養成所などで学ぶ必要があり、受験手続き時には指定の学校を卒業したという証明書を提出しなければいけません。

看護師国家試験の受験資格を取得するための4つの方法

看護師になるための第一歩は、看護師国家試験の受験資格を取得することです。そのためには、看護師として必要な知識と技術を得られる養成施設で学ばなければなりません。

もっとも一般的なのは、高校卒業後に看護大学や看護短大、看護専門学校などに進学する方法です。早いうちから看護師になることを決めている場合は、高校で5年一貫看護養成課程校に進学する方法もあります。

ここでは、看護師国家試験の受験資格を取得するための4つの方法についてご紹介します。

看護大学で学ぶ

看護大学または看護系学部は、4年間かけて看護師の資格を取得するために学ぶ大学です。

看護師になるための教育がカリキュラムに組み込まれており、大学によっては保健師や助産師になるためのプログラムを用意しているところもあるので、将来活躍の場を広げたい方や時間をかけてじっくり学びたい方、学問的な視点で看護を学びたい方におすすめです。

看護師国家試験の受験資格を得られるまでに時間はかかりますが、卒業時には大学の卒業資格も取得できるので、4つの方法の中で学歴はもっとも高くなります。

時間的にもゆったりと学ぶことができ、一般教養の履修も可能な大学もあるので、看護に関することだけでなく幅広い視野で知性と感性を磨けるのも特徴です。

近年、看護大学の多くに大学院が併設されており、大学卒業後に自分の興味や関心のある看護領域についてより深く学んだり、研究できます。

カリキュラムについても、大学によってさまざまな特徴や特色があるので、看護大学の受験を考えている場合はよく調べてみるとよいでしょう。

看護短大で学ぶ

一般的な短期大学には2年制と3年制の2種類ありますが、看護系の短期大学は3年制のみです。

看護系の短期大学は全国的に数が少なく、20校ほどしかありません。そのほとんどが大学の医学部や大学病院の附属校です。

看護専門学校との違いは、看護の知識以外に一般教養科目も履修するところです。一般教養を身につけることで、看護師に必要不可欠なコミュニケーション能力や社会人としての自立した考え方を身につけます。

卒業後は短期大学卒業の資格を取得できますが、在学中は一般教養科目を履修する分毎日の勉強時間は相当ハードになるといえるでしょう。

4年制の看護大学より1年早く卒業できるため、看護師国家試験に短期間で挑戦したい方におすすめの方法だといえます。

看護専門学校または養成所で学ぶ

看護師養成期間の半数以上を占める看護専門学校や養成所は、3年間または4年間かけて看護師国家試験の受験資格を取得する方法です。

医療や看護に関する知識を集中的に学べるので、看護師として必要な知識や技術だけを学びたい方に適しています。

看護師免許取得後の即戦力を育てるため、授業の3分の1は看護実習の時間に充てられています。

看護専門学校や養成所への入学には年齢制限がなく、社会人や主婦などが入学することも想定されているのも特徴です。

社会人の割合は、多いと全体の半数近くになるところもあるようなので、社会に出てから看護師になりたいと思った方にもおすすめです。

5年一貫看護師養成課程校で学ぶ

平成14年度から新しく創設された5年一貫看護師養成課程は、高校3年間と看護学科2年間を合わせた5年間で一貫した看護師養成教育を受けます。

5年一貫看護師養成課程校を卒業すれば看護師国家試験の受験資格を取得できるうえ、高校から看護学会への入学試験を受ける必要もありません。

年齢的にはもっとも早く看護師として働けるので、誰よりも早く看護師として働きたい方におすすめです。

高校で看護系学科を選択する場合、注意しなければいけないのが、すべての看護系高校に5年一貫課程が設けられているわけではないというところです。

誰よりも早く看護師として働きたいと思っている方は、高校を選択する際5年一貫課程なのか、3年制の看護系高校なのかをしっかり確認するようにしましょう。

まとめ

看護師国家試験の詳しい情報と、看護師国家試験の受験資格を取得するための4つの方法についてご紹介しました。

看護師になるには、必ず看護師国家試験に合格する必要があり、そのためにはまず看護師国家試験の受験資格を取得しなければいけません。

受験資格を取得するための方法は主に4つで、そのすべてに共通しているのは、文部科学大臣指定の学校もしくは厚生労働大臣指定の看護養成所で、必要な単位を履修することが義務付けられている点です。

4つの方法にはそれぞれにメリットやデメリットがあるため、一般教養も学びながら看護師の勉強をしたい、いち早く現場に出たいなど、自分が学校卒業後看護師としてどのように働きたいかをイメージしてから進路の選択をするとよいでしょう。

ただし、大学を選択する場合は入試科目に理系科目が含まれている可能性もあるので、事前によく確認しておく必要があります。

看護師は、今後医療機関だけでなく老人保護施設や訪問看護ステーションなど、さらに活躍の場が広がっていくため、看護師の国家資格を持っていれば比較的就職や転職に困ることはないでしょう。

看護師の仕事は心身ともに楽な仕事ではないですが、人の役に立つ仕事がしたい方や安定した収入を確保したい方は、看護師国家試験の受験資格の取得を目指してはいかがでしょうか?

日本保健医療大学」は、質の高い施設や設備、丁寧な教育体制で、生徒一人ひとりに最適なサポートをする4年制看護大学です。

充実した奨学金制度を整えて、生徒が学業やクラブ活動に集中して取り組めるようサポートします。

看護大学への進学を検討している方は、ぜひ一度「日本保健医療大学」までお気軽にお問い合わせください。