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理学療法士になるための学校選択と代表的な就職先を紹介

  • 理学療法士
理学療法士になるために

理学療法士は、病気や怪我、加齢や障がいによって低下した運動機能を維持し、改善することを目的に理学療法を使って治療する人のことです。

「幼いころに家族がお世話になった」「スポーツの怪我で治療をしてくれた理学療法士に憧れている」など、目指す理由は過去に理学療法士と触れ合う機会のあった方が多く、高齢化が進む日本で注目されている職業です。

理学療法士になるためには、養成校と呼ばれる学校で3年以上学び、その後国家試験を受ける必要があります。

また、理学療法士とともにリハビリテーションを行う職種に必要な資格として、作業療法士と言語聴覚士があります。理学療法士を目指すうえで、さまざまな分野とコミュニケーションをとって患者さんの治療にあたるために、この2つの資格のことも知る必要があります。

この記事では、理学療法士になるための学校選択と、リハビリ3職種について、理学療法士の就職先をご紹介します。

将来理学療法士を目指していて、学校選びに迷っているという方は、ぜひ参考にしてみてください。

理学療法士になるための学校選択

リハビリ中

理学療法士になるためには、独学で知識を学ぶことはできず、必ず養成校に3年以上通う必要があります。

養成校のなかには大学と専門学校がありますが、選ぶ際に違いを知っておく必要があります。

まずは、理学療法士になるための学校選びについてご紹介します。

大学の特徴

大学には私立大学、国立大学の2種類があり、平均的な学費は以下のとおりです。

  • 私立大学(4年)…約560~640万円
  • 国公立大学(4年)…約250万円

大学では理学療法士の資格を取得する勉強に加えて、一般教養などを幅広い範囲で学べ、卒業すると学士の学位を取得できます。

理学療法士として就職する際に学歴は重視されませんが、将来理学療法士以外の道も考えているという方は、学歴が必要になることもあるため、大学を卒業して学士を取得したいと考える方もいます。

視野を広く持てるのも大学の特徴で、海外の研修を取り入れていたり、大学院への進学を見越したカリキュラムを組んでいたりするため、将来研究職を目指したい方や、教育機関への就職も視野に入れているという方におすすめです。

専門学校

専門学校には、3年間の昼間部と4年間の夜間部があり、それぞれの学費は以下の通りです。

  • 昼間部(3年間)…約360~420万円
  • 夜間部(4年間)…約360~440万円

専門学校は大学に比べて学費が安く、3年という最短のカリキュラムで国家試験を受けられるため、いち早く理学療法士として臨床現場で働きたいと考えている方におすすめです。

専門学校には夜間部があるので、社会人の方が理学療法士を目指すために、日中働きながら受験資格を得ることも可能です。

専門学校を卒業すると、4年制で高度専門士、3年制で専門士という学位を取得できます。

4年制の大学と違い、3年で専門的な知識を詰め込むことになるので、将来理学療法士になりたい気持ちが明確であり、3年間しっかり勉強する意思が必要となります。

リハビリ3職種とは

リハビリ 介護施設

リハビリテーションと呼ばれる訓練は、病気や怪我、加齢によって後遺症や障がいをもつ方に対して、社会復帰を目指すための訓練とされています。

実際に医療機関などでリハビリテーションを行う職種は主に3種類で、理学療法士以外にも作業療法士、言語聴覚士という資格があります。

ここからは、リハビリ3職種について詳しくご紹介します。

理学療法士

理学療法士 面談

理学療法士の仕事内容は、医師の指示のもと、運動療法や物理療法を用いて、患者さんの身体機能、基本動作能力、歩行能力の回復などを行うことです。

理学療法士が行うのは、主に立つ、座る、歩くなどの基本動作の回復を中心としたリハビリテーションです。

運動療法と物理療法を組み合わせることで、効果的なリハビリテーションを提供し、患者さんの機能、能力の回復を目指します。

毎年2月に行われる国家試験に合格し、理学療法士の資格を取得する必要があります。

作業療法士

作業療法士の仕事内容は、医師の指示のもと、認知機能などの心身機能や、食事、入浴、排泄といった日常生活機能をサポートすることです。

身体的、精神的な分野を対象とし、子どもから老年期の方までを幅広く担当します。身体的なサポートだけではなく、認知症や総合失調症などの精神疾患のある患者さんへのリハビリも行うのが、理学療法士との大きな違いです。

作業療法士になるためには、理学療法士と同様毎年2月に行われている国家試験を受験し、資格を取得する必要があります。

言語聴覚士

言語聴覚士の仕事内容は、言語障害、音声障害、嚥下障害などを持っている患者さんに対して、心身機能やコミュニケーション能力を高めるためのリハビリテーションを行うことです。

主に医療機関での勤務となりますが、在宅医療を受けている患者さんの自宅に訪問してリハビリテーションを行うこともあります。

言語聴覚士も、理学療法士、作業療法士と同じように、国家試験に合格して資格を得る必要があります。資格保持者が少ないので、地域によっては給料面で優遇されているケースもあります。

理学療法士の就職先

理学療法士 計測

理学療法士は、医療施設で働くのが一般的ですが、医療施設以外にも福祉系、スポーツチームなど、あらゆる場所で活躍できます。

ここからは、理学療法士の就職先をご紹介します。

医療施設

入院施設のある総合病院や、地域に密着した診療所、クリニックなど、理学療法士が働く場所として最も多いのが医療施設です。

とくに総合病院での勤務は、内科、整形外科、脳神経外科、心臓外科などの、さまざまな疾患をもった方のリハビリテーションを行います。

疾患をもった患者さんだけではなく、入院している高齢者の体力低下の予防、体力維持の訓練など、仕事内容は多岐にわたります。

患者さんのリハビリテーションは、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語療法士などと連携をとりながら、さまざまな角度からアプローチする、チーム医療です。

入院している患者さんが、チームで行う治療によって回復していく様子を観察でき、多種多様な経験を積めることが、医療機関で勤務する魅力と言えます。

介護施設

介護施設には以下のような場所があります。

【要介護の方向け】

  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • グループホーム
  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療員

【自立の方向け】

  • サービス付き高齢者向け住宅
  • シニア向け分譲マンション
  • 軽費老人ホーム・ケアハウス

【その他の福祉施設】

  • 通所リハビリテーション
  • 通所介護(デイサービス)
  • 訪問介護

このような介護施設では、理学療法士の資格をもった方が必要とされています。

医療機関では、患者さんの身体機能の回復を主に行う一方で、介護福祉施設では、体力や運動能力の維持を目的にリハビリテーションが行われます。

介護施設では、医師の指示によってリハビリテーションを実施するケースと、理学療法士の知見をもとに、機能訓練指導員としてケアを実施するケースがあります。

児童福祉施設

児童福祉施設では、医師、児童福祉員、子どもの親と連携を取りながら、生まれつきや事故、怪我、病気などによって運動機能に障がいをもった子どもにリハビリテーションを行います。

子どもへのリハビリテーションは、機能の回復を目指すという点では大人へ行うリハビリテーションと同じですが、接し方やメニューに気を配る必要があります。

思うように言うことを聞いてくれない子どもに対して、焦ったり動じたりすることなく、子どもに寄り添ってリハビリテーションを進めていく必要があります。

これから先の長い人生を、少しでも障がいを軽くすることで子ども自身が生活しやすくなるようなサポートを行います。

スポーツチーム

フィットネス施設やスポーツチームで働く理学療法士も増えています。とくに、プロチームの専属で働く理学療法士には、選手の体、動作を科学的に分析して、一人ひとりに応じたトレーニングの指導から、体調管理まで、あらゆる面でのサポートが必要となります。

スポーツ分野で働く理学療法士の役割は主に以下のようになります。

  • 怪我の予防
  • パフォーマンスの向上
  • 怪我、病気の対応
  • リハビリテーション指導

スポーツに怪我はつきものですが、予防をすることでアクシデントを防止できます。準備運動、整理運動といった体のケアや、怪我が起こりにくい動作についての指導を行います。

チームの選手が最高の結果を残せるようサポートするために、チームを分析し、より効率的な戦い方の指導も行います。

選手の怪我や病気に対して、適切な処置をすることで後遺症が残ったり、回復が遅れたりすることを防止します。さらに、怪我を負った選手に対するリハビリテーションの指導で、怪我をした選手が再びチームで活躍できるようサポートします。

まとめ

理学療法士になるための学校選択についてと、リハビリ3職種について、理学療法士の就職先をご紹介しましたが、参考になりましたか?

理学療法士になるためには、まずは養成校である大学か専門学校に通って国家試験の受験資格を得る必要があります。

それぞれの特徴をとらえ、自分にとって最適な進路を選ぶようにしましょう。

また、理学療法士は、作業療法士、言語聴覚士とともに仕事をすることが多いため、それぞれの資格についても理解を深めましょう。

国家試験に合格したあとは、理学療法士が働く分野は多種多様で、さまざまな場所で活躍できるため、在学中にどのような分野で活躍したいのかをイメージしておくことも重要です。

埼玉の「日本保健医療大学」では、理学療法学科にて理学療法士を目指せます。

一人ひとりに「目をかけ声をかけ時間をかける指導」を実施していて、学習面から生活面まで学生一人ひとりをしっかりサポートします。

教員が学生に寄り添う姿勢で指導をするので、4年間の大学生活のなかでの迷いや不安を相談しやすい環境が整っています。

理学療法士を目指し、養成校を探しているという方は、最新の医療の場に準じた教育環境を完備している「日本保健医療大学」まで、お気軽にご相談ください。