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理学療法士になるための大学選びの4つのポイントとメリットを紹介

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理学療法士

病気や事故などによって身体に何らかの障害を抱えてしまった人や、高齢者の方の身体の機能を維持し、向上させたりなどのサポートを行う理学療法士の仕事は、豊かで健康な生活を送るためには欠かすことができない大切な仕事です。

医師の指導のもと、治療や訓練を行い、身体の機能回復を目指す医学的リハビリテーションの専門家である理学療法士になるためには、国家試験に合格する必要があります。

国家試験の受験資格は、厚生労働大臣または文部科学大臣が指定する養成校の規定カリキュラムを修了することで得ることが可能です。

この記事では、その中でも大学に注目し、理学療法士になるために大学を選ぶメリットや大学を選ぶ時のポイントなどについて詳しくご紹介していきます。

理学療法士になるには?

理学療法士 会話

理学療法士になりたいと思っても、独学で勉強するだけでは国家試験の受験資格を得ることはできないため、養成施設で3年以上理学療法について勉強し、カリキュラムを修了する必要があります。

養成施設には4年制大学、3年制短期大学、3年制専門学校、4年制専門学校があります。また、視覚障害を持った人を対象とした特別支援学校もあります。

それぞれ特徴は異なりますが、リハビリテーション医学、運動学、病理学概論、解剖学、生理学、臨床心理学などについて学ぶという点では共通しています。

理学療法士になるための国家試験は例年80%から90%ほどの合格率がありますが、中には70%台に落ち込んだ年もあるため、日頃からしっかり勉強に励むことが大切です。

理学療法士になるために大学を選ぶメリット

理学療法士 サポート

2016年に日本理学療法士協会が行った調査によれば、理学療法士の養成校の総数は258校でした。このうちの102校が4年制大学、150校が3年制専門学校や4年制専門学校、6校が3年制短期大学となっています。

理学療法士を目指せる大学の数は多いので、大学に通って理学療法士を目指したいという人はいくつもの大学から検討することができるでしょう。

ここからは、理学療法士になるために大学を選択することのメリットについて詳しく解説していきます。

カリキュラムが充実しておりじっくり学ぶことができる

4年制大学は、福祉や医療に特化した学科や学校があり、スポーツリハビリ、内部障害、基礎医学、介護予防、運動器、小児、神経系など理学療法に関連する専門的な分野を4年間じっくりと学ぶことができるのも大きなメリットの一つです。

3年制短期大学や3年制専門学校に比べると現場に出て実際に仕事を始めるのは1年遅れるものの、実習時間もしっかりと確保されているため、現場で求められる技術を習得することができます。

一般教養も身につけられる

大学も専門学校も、理学療法士になるために勉強する科目はほとんど変わりません。しかし、大学では理学療法に関連する専門科目のほかにも一般教養を学ぶことが可能です。

大学は理学療法士になるための場所ではなく、学問の発展を目的として研究などを行う場所です。そのため、一般教養科目が多く、幅広い知識を身につけることができます。

2017年9月に厚生労働省が開催した「第2回 理学療法士・作業療法士養成施設カリキュラム等改善検討会」では日本理学療法士協会が新たに学習すべき科目として、下記を挙げています。

  • 予防理学療法学
  • 理学療法管理学
  • 医療経済学
  • 救急救命医学
  • 画像診断学
  • 社会保障制度論
  • 栄養学 など

今後は新たにこのような勉強も必要になると言われているため、大学という幅広い知識を得られる場所で学ぶことは将来的のキャリアにも影響するでしょう。

また、単に理学療法士として仕事をするだけでなく、いずれキャリアアップのために管理職になりたいと考えている方は、患者さんの診察や治療を行う臨床能力だけでなく、管理する組織を円滑に運営していくことができるよう、マネジメント能力をつける必要もあります。

管理職としてのキャリアを検討するのであれば、診療報酬についての正しい知識を身につけ、運営方針の決定やコストの管理などもできるようになっておかなければなりません。

初任給が高くなる傾向にある

働き続けて30代くらいになると経験や実績によって役職がつくようになるため学歴による給与の差はなくなってきますが、4年制大学を卒業した場合のほうが、学校を卒業して就職してからの初任給が高くなる傾向にあります。

4年制大学の場合、じっくり時間をかけて勉強をしているので、働き初めてからも勉強の成果を活かして活躍していくことができるでしょう。

国家試験対策が充実している

勉強風景

3年制の場合は、勉強や実習の期間が1年短いため、病院での実習と国家試験対策を同時進行で行っていかなければいけません。

一方で4年制大学の場合は、病院実習を終えたあとで数カ月間、国家試験対策に集中できるというメリットがあります。

カリキュラムを修了し、通っている学校を卒業するだけでは理学療法士になることはできません。卒業で得られるのはあくまで理学療法士の国家試験の受験資格です。

実際に理学療法士として活躍していくためには国家試験に合格しなければならないため、国家試験対策は非常に重要な項目の一つとなっています。

大学院に進むことができる

大学院に進んでさらに勉強を続けたい、より専門的な知識を身につけたいなどの理由から、大学院へ進む方もいます。

理学療法の分野では、研究者のニーズも高まっています。4年制専門学校の場合も大卒扱いとなり、卒業すれば大学院の入学資格を得ることができますが、4年制大学で学んで大学院へ進むというのが一般的です。一旦臨床を経験してから大学院へ進学するという方もいます。

大学院を卒業すれば修士や博士の学位が授与されますが、学位を目的として大学院に通う方は少なく、研究したい分野がある方が進学することが多いです。

理学療法士の有資格者は年々増加していますが、その中でも大学院に進学する方は少ないため、専門的な知識を身につけることは活躍の場を広げることにもなります。

理学療法士以外の可能性も広げることができる

大学では、理学療法士のための勉強として医療や福祉について幅広く学べるとともに、一般教養を学ぶこともできます。

「理学療法などに興味があるものの、まだ自分は本当に理学療法士になるかはわからない。幅広く勉強をしながら知識を深め、ほかにどんな可能性があるのか模索したい」という方は、大学に入って可能性を広げるのがいいでしょう。

大学は生徒数も多いため、たくさんの同期、先輩、後輩という仲間たちとコミュニケーションを取り合い、支えあいながら目標である理学療法士を目指す過程で人脈を広げることもできます。

たくさんの人の意見や話を聞き、勉強会や研究会を行えば広い視野で物事を捉えることができるようになるでしょう。

理学療法士になるための大学選びのポイント

理学療法士 立ち姿

大学を選ぶメリットの次は、どのような点を考慮しながら大学選びを行えばいいのか、そのポイントについて詳しくご紹介します。

理学療法士を目指すことができる大学は100校以上ありますが、それぞれ異なる特徴を持っています。長く通い続けることになるため、下調べを行い、自分に合った大学を選びましょう。

通いやすさ・立地

4年間通い続けることになるため、通いやすさは重要なポイントです。実家から遠い場合は一人暮らしをすることになるなど、事前に計画が必要になることもあります。

大学の近くに提携している病院があれば、近くの病院で現場実習が行えるということもメリットとなります。

実家からあまりに遠いと、行き帰りの通学で疲れ切ってしまい勉強への集中力が削がれてしまうことになりかねませんので、通いやすさは忘れずに考慮しましょう。

学費

学費は学校によって異なります。

医療系の大学であるため学費は高くなる傾向にありますが、学費が高い学校はその分、最新の設備・施設など環境が整っていることが多いです。

カリキュラムの内容

大学によっても力を入れているポイントが異なるため、カリキュラムの特徴は変わってきます。たとえば、チーム医療教育に力を入れている大学もあれば、海外との交流プログラムを重視しているという大学もあります。

学校を卒業して理学療法士として社会に出たとき、どんな理学療法士になりたいかということを考えながら大学選びをするといいでしょう。

学習環境が充実しているかどうか

大学を選ぶ際には、その大学の学習環境にも注目することが大切です。理学療法士を目指すのであれば、国家試験対策と実習環境は非常に重要なものとなります。

実際に自分で理学療法士としての業務を行いながら学ぶ体験ができる実習では、講義だけでは体得できない技術やスキルの経験を通して学ぶことができます。

実習計画や実習のための設備はしっかりチェックしましょう。

また、国家試験対策などのサポートがあるかどうかも重要なポイントです。国家試験に受からないことには理学療法士になることはできませんので、この点にも注目しましょう。

まとめ

理学療法士になるための選択肢はいくつかありますが、その中でも大学は自分の可能性を広げながら理学療法士についての知識やスキルを習得することができる場所です。

時間をかけて勉強するので、学んだ内容もしっかり身につき、現場に出てからも即戦力として活躍できる力を養うことができます。

埼玉県幸手市にキャンパスを置く「日本保健医療大学」は学習面だけでなく、生活面にまで生徒一人ひとりに寄り添い、丁寧な教育・学生指導を行っています。

各科目を担当している教員による時間外指導も行っているため、授業では理解しきれなかったところもそのままにせず、自分のものにすることができます。

また、最新の医療の場に準じた教育環境を完備していることも大きな特徴です。より高いレベルの知識や技術を身につけ、将来に活かすことができます。

国家試験対策&サポートにも力を入れており、「学校に通っても試験に受かるか不安」という方も安心して勉強に集中することができます。まずは一度、お気軽にお問い合わせください。