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大学と専門学校の違いは?それぞれのメリットと大学進学に向いてる職種紹介

  • 医療全般
大学と専門学校の違い

高校卒業後の進路として、大学と専門学校で迷っている方は非常に多く、将来なりたい職業が決まっている方ほどその悩みは深刻です。

「学んでみたらなりたい職業が変わるかもしれないから学位習得のため大学へ行った方がいい」「専門学校は短期間で社会に出ることができるから有利」など、さまざまな意見があるなかで、自分にとってベストな進学先を選びたいという思いから、なかなか決められずにいるという方も少なくありません。

そこでこの記事では、大学と専門学校の違いとともに、それぞれのメリット、大学進学がおすすめの職種をご紹介します。

違いを知り、メリットを知ることで、自分にとってどちらが向いているのか、自分の夢を実現させるためにはどちらが良いのかを決める判断材料になります。

さらに、すでになりたい職業が決まっているという方は、職種によっては大学進学が向いているという場合もあるのです。

大学と専門学校どちらに通ったら良いか迷っているという方は、ぜひ参考にしてみて下さい。

大学と専門学校の違い

キャンパスライフ

大学は一般教養と専門分野両方の知識や理論を身につけるための学問的な教育を行っているのに対して、専門学校は、専門分野に対する知識や技術を身につけるような実践的な教育となります。

まずは、大学と専門学校の違いについてご紹介します。

大学とは

大学の大きな特徴は、専門分野に進む知識だけではなく、一般教養科目も学ぶことができ、その教育方法は実践よりも理論重視であるということです。

短期大学を除き大学は4年制となっていて、入試は一般入試、推薦入試、AO入試に加えて大学入学共通テスト(旧センター試験利用入試)を導入する私立大学が増えています。

自分の興味のあることを自分の好みに合わせた時間割を作って学ぶことができるという特徴があり、目的やライフスタイルに合わせて自由にスケジューリングすることができます。

社会に出るための基礎を身につける場として、ゼミ活動、研究活動、サークル活動なども盛んに行われていて、自主性とともに協調性が必要とされます。

学費は大学によってさまざまですが、平均的な数値としては卒業までに国立が約243万円、私立文系が約429万円、私立理系が約588万円必要と言われています。

卒業することで「学士」の学位が与えられ、進みたい道によって学歴を重視しないという職種や企業も多くありますが、就職の際に有利とも言われています。

専門学校とは

専門学校はその名の通り、特定の専門分野が主体で知識と技術を身につける実習が多いのが特徴です。

修行年数は1~4年制まで幅広く、入試は一般入試、推薦入試が一般的ですが、近年AO入試を導入する専門学校が増えています。

専門学校では、卒業と同時に即戦力になるような能力を習得する必要があるので、実習が多く遅刻や早退による遅れが発生しやすいので、専門学校生は比較的バイトなどがしづらく、在学中は遅れをとらないようしっかり通学する必要があります。

学費は学校や専門分野によって大きく違い、1~2年の専門学校に比べて3~4年通う必要がある「はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧」や「理学療法・作業療法」の分野は学費が高くなります。

2年以上で総授業時間数が1,700以上の課程を卒業すると「専門士」の称号が与えられます。

大学と専門学校のメリット

大学生 本

それぞれに特徴がある大学と専門学校ですが、ここからはもう少し詳しくメリットをご紹介していきます。

大学のメリット

大学に進学することで、以下のようなメリットを感じることができます。

  • 幅広い分野の学習ができる
  • 設備が充実している
  • 留学制度が使える
  • 自由に使える時間がある
  • 大学院へ進学できる

大学では、専門的な知識とともに選択できる科目が多く、一般教養なども学ぶことができるのが特徴です。

設備も充実していて、図書館や研究施設、学習設備などが常にアップデートされているという大学もあり、学習の幅が広がります。

留学制度が使えるので、海外に興味があるという方や、語学の勉強をしたい、国の文化を学びたいという方も大学在学中に留学をすることによって、さまざまな経験を積むことが可能です。

さらに大学は比較的自由な風土によって、サークル活動などの大学に関連する活動だけではなく、アルバイトをするなどプライベートな時間を取りやすいという特徴があります。

大学を卒業して学士の学位を取得することができると、大学院への受験資格を得ることができます。実は大学を卒業していなくても大学院を受験することは可能ですが、学術論文や研究発表を提出するなど大学院によって内容は違いますがハードルは高く、大学を卒業してから大学院へ行くというのが一番の近道となります。

専門学校のメリット

専門学校に進学することで、以下のようなメリットを感じることができます。

  • 志望している分野について専門的に学べる
  • 実習が多いので就職後に役立つ
  • 短期間で専門分野を学べる

専門学校は短期間で専門的な分野を学ぶことができる場所です。授業は仕事に関わる専門的な授業が多く、実践型の教育方法となっています。

最短2年で専門士としての称号を取得できるので、早く卒業して就職したい、社会でのキャリアを積みたいと考えている方におすすめです。

大学進学が向いている職種

キャンパス 医療系大学

ここまで大学と専門学校の違いをご紹介してきましたが、参考になりましたか?

ここからはさらに、大学に進学することでメリットを多く感じることができる職種をご紹介します。

看護師

看護師 メディカルチェック

看護師は、医師の診察の補助や入院患者の食事や排泄の補助、点滴など一言では表せないほど数多くの業務をこなしています。時には医師よりも深く患者とコミュニケーションをとることもあるほど、患者にとって身近な存在となります。

看護師になるには国家資格が必要で、国家試験を受験するためには看護の学校(大学、短大、専門学校)で3,000時間以上の教育を受けることで受験資格が与えられます。

看護師には教養やコミュニケーション能力が必要とされ、それらは大学で4年間じっくり勉強を重ねることで学ぶことができます。

さらに看護師だけではなく、大学の講師や研究職といった看護師以外の将来を考えることも可能になり、将来の選択肢を増やすことができます。

助産師

助産師とは助産行為の専門職で、日本では女性のみが就ける職業となっています。お産の支援だけではなく、妊婦と赤ちゃんの保健指導をするという役割を担っていて、出産前から出産時、出産後までさまざまな業務でお母さんと赤ちゃんのケアをする仕事です。

助産師になるには、看護師国家試験と助産師国家試験の両方に合格することが必要で、短大や専門学校で看護資格を取得するというルートだと、その後別の大学や専門学校にて助産師の国家資格を取得する勉強をしなければいけません。

そのため、4年生の大学で看護師資格と助産師資格の取得を目指すというルートが確実に助産師になることに繋がります。

保健師

普段耳にすることが少ない保健師とは「保健指導に従事することを業とする者」と定められていて、具体的には公務員として保健所などに勤める行政保健師、企業で社員の健康管理を行う産業保健師、専門学校や大学でケガなどの応急処置をする学校保健師、病院で健康診断や健康相談を行う病院保健師に分けられます。

保健師になるためには、毎年2月に行われる保健師国家試験に合格する必要がありますが、看護師の資格を同時に取得するか、看護師の資格を先に取得する必要があります。

そのため、同時合格を目指すためには免許のダブル取得ができる、4年生の大学を選ぶことで、卒業年次に同時に2つの国家試験受験資格を得ることができます。

2020年に行われた保健師試験の合格状況は合格率91.5%となっていて、大学の保健師コースで地道に学習することによって、免許取得がしやすい資格です。

養護教諭

養護教諭とは学校の保健室の先生のことで、児童や学生の健康管理に加えて、病気やケガの予防指導を行う職業です。

全校生徒の健康管理をする養護教諭には、医学、看護学両方の知識が必要不可欠となります。

さらに近年は子供の受験や進路の相談から、家庭での問題に悩んでいる生徒の相談相手になるといった、カウンセラーのような役割も重要になってきています。

そのため、養護教諭には教養やコミュニケーション能力が必要不可欠となるのです。

養護教諭になるには、養護教諭一種免許状、養護教諭二種免許状のほかにも専修免許状があり、それぞれ習得する科目内容や科目数が異なります。

養護教諭一種免許状は指定の4年制大学で養護教諭育成過程を修了することで取得することができるのに対して、養護教諭二種免許状は保健師の資格取得が必須になります。

専修免許状は大学院を修了することでの取得になるので、どの免許状を目指すにしても、大学で4年間勉強することが近道となります。

まとめ

大学と専門学校の違いとともに、それぞれのメリット、大学進学がおすすめの職種をご紹介しましたが、参考になりましたか?

大学は一般教養が学べることや自分の時間を作ることができるのに対して、専門学校は専門的な分野を最短で学ぶという違いがあります。

どちらを選ぶべきか迷っているという方は、それぞれの特徴やメリットをよく理解することや、何を学びどのような職業に就きたいのかを考え、進路を決めるようにしましょう。

今回ご紹介したような看護師、助産師、保健師、養護教諭といった専門の資格が必要なうえに、資格だけではなく人間性や社交性なども必要となる職種は、大学での学びが就職後に大いに役立ちます。

専門の分野をじっくりと学びたい、幅広い分野の知識を身に付けたいと考えている方は、大学に進んで留学やインターンシップなども経験しながら将来に向けて学びを深めることをおすすめします。

進路に迷っているという方は、大学と専門学校の違いを知ったうえで、自分にとってどの進路が最適なのかを考えてみましょう。