befriend 医療のミライを、トモに。

学び、広がり、つながる情報サイト

職業辞典 Profession Column

医療関係従事者の職種紹介!メリットと役割とは

  • 医療全般
医療関係従事者の職種紹介

新型コロナウイルス感染拡大により、医療従事者への関心が高まりを見せ、最近ではニュースなどでも医療従事者という言葉をよく耳にするようになりました。困っている方や苦しんでいる方の役に立ち、どんな状況でもなくならない仕事でもあるため、将来は医療関係の職種につきたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

医療従事者という言葉は、医療に携わる職業をひとつひとつ挙げていくよりも、幅広い職業を指すことができる便利な言葉でもありますが、具体的に医療従事者とはどのような職業のことを指すのかご存知ですか?医療関係従事者というと、医師や看護師を思い浮かべる方がほとんどですが、実は医療業界にはほかにもさまざまな職業の方がいます。

医療従事者とは、医療関係の業務に従事している方、または厚生労働省が限定している有資格者のことですが、医療に関わるものという意味であるため、広い意味では医療の資格を保持している方だけに使われるのではなく、医療に携わる職業全体を指すものとしても使われます。

そこで本記事では、医療従事者に興味のある方のために、医療従事者の職種紹介と医療従事者にはどのような役割、メリットがあるのかをご紹介します。

医療従事者の職種紹介

白衣の女性 医療従事者

医療に従事している職種にはさまざまなものがありますが、今回は病院やクリニックに関係している職種にスポットを当て、厚生労働省が医療関係従事者数として公開している資格や免許が必要な5つの職種について詳しくご紹介します。

医師

医療従事者の中でも花形といわれる医師は、大きく分けると病気の人を診療、治療を行う臨床医、病気や薬剤を研究し新しい医療技術を開発する研究医の2つに分けられます。さらに臨床医は、病院に勤めている場合は勤務医、診療所などを開業していれば開業医に分けることができます。

臨床医は患者に対して正確な診察と適切な治療を行う必要があるため、患者との会話の中から本人が気づいていないような病気の兆候を感じ取らなくてはなりません。そのため、冷静で的確な判断力と行動力、患者とのコミュニケーションを円滑に進める能力が必要不可欠です。

研究医も臨床医として大学附属病院などに勤務しながら研究を進めていることが多いので、臨床医と同様の能力が必要となります。

医師を目指すには

大学は医学部医学科または医科大学を目指します。数学だけではなく英語や生物、化学などの知識を身につける必要があります。

  1. 高校卒業
  2. 大学医学部または医科大学で6年制課程を卒業
  3. 厚生労働大臣が施行する医師国家試験に合格
  4. 臨床研修医として2年以上勤務

就職先は病院や診療所、開業医院などです。医師の生活は多忙であるため、自身の体調管理と精神面のケアも重要となります。

看護師

医療スタッフ

白衣の天使と呼ばれる看護師は、怪我や病気の患者の回復を支える仕事です。医師の指示のもとで患者の診療や治療をサポートし、患者の症状に合ったケアを行います。

主な勤務地は病院や診療所ですが、総合病院では外来、病棟、手術室など配属先が分かれるため、業務の内容に違いがあります。手術室に配属される看護師は、術中の医師への機材の手渡しや麻酔の介助などの手術の補助作業を行います。

また、血圧や体温の測定、採血など患者と接する機会が多いため、健康に不安を抱える方を励ますなどの精神的ケアも看護師の仕事です。

看護師は患者を身体的にも精神的にも支える必要があるので、相手のことを考えて行動できる能力が必要です。さらに、患者との信頼関係を築くための誠実さやコミュニケーション能力も大切な資質です。

また、どんなときでも医師の指示に従って適切な処置が行える冷静さも求められます。

看護師を目指すには

看護師の国家資格を取得するためには大学または短大、専門学校などで看護学、医学、保健衛生学を学ぶ必要がありますが、高校でも生物、化学、数学など近い分野を学んでおくと良いでしょう。

  1. 高校卒業
  2. 大学、短大、専門学校を卒業
  3. 看護師の国家試験に合格
  4. 採用試験に合格

近年は高齢化に伴い、病院や診療所だけではなく在宅の患者に対する訪問看護や特別養護老人ホームなど社会福祉施設での看護師の必要性も高まっているため、就職には大変有利な資格です。

理学療法士

高齢女性の歩行訓練

理学療法士は、医療や福祉施設で病気や怪我、高齢化などが原因で、歩く、立つ、座る、寝返りなどの日常の動作が困難な方のリハビリテーションの指導をする職業です。

医師の指示のもと、関節や筋力を改善する運動療法や電気刺激、温熱療法などの痛みを緩和する物理療法、日常生活動作の訓練などを患者の能力や生活環境を考慮しながら行います。

義手や車椅子などを使用する訓練も業務に含まれ、患者ひとりひとりの症状、状況に合った治療計画を立てて実施します。

リハビリテーションには、患者の不安に寄り添い、意欲を引き出す思いやりが必要です。さらに、医師や看護師などほかの病院スタッフともチームを組んで働くので、コミュニケーション能力も必要になります。

また、リハビリテーションでは患者の身体を支えることもあるので、筋力、体力がある方が向いています。

理学療法士を目指すには

理学療法士の国家資格を取得するためには国が定める施設で、医療技術学、リハビリテーション、作業療法、理学療法などを学ぶ必要があります。夜間コースを設置しているところもあるので、自分に合った学校を選択します。

  1. 高校卒業
  2. 大学、短大、専門学校を卒業
  3. 理学療法士の国家試験に合格
  4. 採用試験に合格

治療のスキルだけではなく、骨や関節など人体の構造、運動理論や心理的作用の知識など、幅広いジャンルを学びます。就職先は病院だけではなくリハビリテーション施設やスポーツジムなど、たくさんの場所で求められる資格です。

診療放射線技師

診療放射線技師は、医師の指示を受けて放射線を人体に照射する仕事です。病気の検査や治療のために行うレントゲンやCTスキャン、がんなどの放射線治療、放射線を使用しないMRI検査も行います。それ以外にも扱う装置の管理や放射線被ばく管理も行います。

直接患者と接する機会が多いので、不安を感じている患者の気持ちを和らげるコミュニケーション能力も必要になります。さらに、放射線の扱いには危険が伴うので、注意力や慎重さも求められる仕事です。

診療放射線技師を目指すには

医療技術系の学部や放射線技術科などで学びます。生理学や解剖学などの医学知識や、画像を作るための電子工学やコンピュータの知識など、幅広い知識が必要です。

  1. 高校卒業
  2. 大学、短大、専門学校を卒業
  3. 診療放射線技師国家試験に合格
  4. 採用試験に合格

医療業界以外の産業界にもニーズが高まっている診療放射線技師は、今後活躍の場が広がっていく職種です。

救急救命士

救急救命士は、命に危険がある方の緊急処置をする仕事です。一般の救急隊員とは違い、救急救命士の国家資格を取得しなければいけません。

働くには各自治体の消防署に所属する必要があり、主に救急車などの救急現場において医師の指示のもと、心臓マッサージや輸血の点滴、気道確保などの高度な救急救命措置を行います。

病院に到着したら患者を医師に引き渡し、応急処置の内容などを報告します。緊急の場合は救急救命士として出動しますが、普段は各自治体の消防署の救急隊員として働きます。

救急救命士を目指すには

救急救命士になるためには、消防官採用試験に合格し、消防官となってから5年以上の救急業務経験、または専門学校などで知識や技能を習得しなければなりません。

  1. 高校を卒業
  2. 大学、短大、専門学校を卒業
  3. 消防官採用試験に合格
  4. 消防士として勤務し定められた受験資格を取得
  5. 救急救命士の国家試験に合格
  6. 消防署の採用試験に合格

人命に関わる仕事なので、幅広い医学の知識が必要です。勤務時間は不規則で24時間勤務になることもあるため、体力がある方が向いています。

また、状況に応じた冷静な判断を下す能力、相手を思いやりながら落ち着かせるスキルも必要です。

こんな職業も医療関係従事者

上記のほかにも、厚生労働省が限定している医療関係従事者には以下のような職種があります。

  • 歯科医師
  • 薬剤師
  • 保健師
  • 助産師
  • 准看護師
  • 歯科衛生士
  • 歯科技工士
  • 臨床検査技師
  • 衛生検査技師
  • 作業療法士
  • 視能訓練士
  • 臨床工学技士
  • 義肢装具士
  • 言語聴覚士
  • 管理栄養士(栄養士)

厚生労働省の定義からみると、医療事務などは医療従事者の範囲には含まれていませんが、広い意味では医療従事者に含むという見方もあります。ほかにもあん摩マッサージ指圧師や鍼灸師、柔道整復師なども医療従事者に含む場合もあります。

医療従事者とは

医療従事者

医療従事者とは医療に従事する者のことで、西洋医学、現代医学という言葉と、仕事に携わっている従事者という2つの言葉を組み合わせた言葉です。

ここでは、医療従事者の役割とメリットをご紹介します。

医療従事者の役割

職種によっても違いがありますが、医療従事者は病気や怪我を治すだけではなく、患者にわかりやすく現状や今後の対応を伝えるためにコミュニケーションを取る必要があります。医療従事者が勤務する施設には何かしらの身体の不調を感じている方が訪れるため、患者の不安を取り除き、心身ともに健康な状態にすることも医療従事者の役割です。

現在日本では医師の人手不足が問題になっているため、人体に起こるさまざまな症状と戦う医療現場では、どの分野の医療従事者も非常に大切な存在です。

また、多くの医療現場では、医師が診療以外の事務作業を行っていますが、医療事務員を配置することで医師が診療に集中できるなどの体制を作ることも重要です。

医療従事者になるメリット

新型コロナウイルス感染拡大で医療従事者が注目されたのは、その重要性だけではなく仕事を失いにくいという点です。

専門性が高い医療現場で経験を積んだ人材はとても貴重であり、ライフスタイルが変化しても医療業界で求められやすい職種です。さらに日本は高齢化が進んでいるため、今後は患者が増加していくと予想されています。多くの患者に対応するためには、たくさんの医療従事者が必要不可欠なのです。

医療従事者で重要なのは医師だけではありません。医師をサポートする看護師や手続きなどを行う事務員、リハビリを行う理学療法士など、患者をスムーズに救うためにはさまざまな職種が連携することが大切なのです。

医療従事者は患者さんの笑顔や感謝の言葉、患者さんのできることが増えていく喜びなどを感じることができる素晴らしい仕事です。

仕事にやりがいを感じられるという点も、医療従事者になるメリットといえるのではないでしょうか。

まとめ

医療従事者の職種紹介と医療従事者にはどのような役割、メリットがあるのかをご紹介しました。

医療従事者は社会的需要が高く、これからの社会で貴重な人材として非常に役に立つ職種ですが、少子高齢化の今日本の医療現場は常に人手不足です。

興味がある方は本記事を参考に、なりたい職種につくことができる学校や必要な試験科目などについて調べてみることをおすすめします。