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学修計画書で書く内容は?合格率を上げるための3つのポイントを解説!

  • 入試情報

総合型選抜での提出書類に含まれている学修計画書。

一般選抜、学校推薦型選抜と並ぶ入試方法である総合型選抜は、2021年度から名称と共に中身が変わりました。そのひとつが、「学修計画書」が提出書類に含まれたという点です。

従来までは「自己紹介書」と「志願理由書」の提出のみ義務付けられていましたが、近年では学修計画書も必須であり、面接官がこの書類を参考に質問するケースも多々あります。

しかし、多くの方は具体的な学修計画書の意味を理解していません。というわけで本記事では、学修計画書の基本概要と書き方のポイントをわかりやすく紹介していきます。

そもそも学修計画書とは

 

冒頭でも説明した通り、学修計画書は総合型選抜で提出が求められている書類です。

総合型選抜は以前まではAO入試と呼ばれていました。文部科学省の調査によると、2020年度にAO入試で入学した人の割合は全体の10.4%。私立大学の86%、国立大学の73.2%で実施されているため、今や一般選抜と同様の代表的な入試方法であるといえます。

一般選抜は学校側が定めた点数以上の生徒を合格させます。つまり、学力さえあれば人間性は問われずに誰でも入学できるというわけです。しかし、総合型選抜では学力だけではなく、大学側が求めている人間に合致するかどうかを見極めて合否を判定します。

そのため、総合型選抜では書類選考、面接、小論文によりテストを行います。大学の中には入学共通テストを課すところもありますが、一般的には学力試験は行われません。

総合型選抜では、大学が掲げるアドミッションポリシーに合致する人物かどうかを評価します。その際に利用されるのが、学修計画書をはじめとする3枚の提出書類なのです。

  • 学修計画書
  • 自己紹介書
  • 志願理由書

学修計画書をはじめとする上記3点の書類は出願時に必要です。書類選考を通過できなければ面接へと進めないため、これら3点の書類は入試の第一関門とも呼ばれている非常に重要なものです。

上記3点の書類を読んで大学側に「うちの大学に合っている生徒だ」と判断されなければ、次の面接や小論文へも進むことができず、その場で総合型選抜は不合格となります。

学修計画書で書く内容

 

学修計画書で書く内容は、「入学後に何をどのように学びたいのか」ということです。

大学生活は高校に比べると自由な時間が増えます。そのため、自分の夢を叶える有意義な学生生活を送るためには、事前にどのような計画を練っているかが重要なのです。

  • 学修の目的
  • 学修の計画
  • 学修継続の意志

大学側は学修計画書を読み、学生が将来的に社会で自立する未来が見えているかどうか、大学における学習意欲を有しているかどうかを確認しています。

以下の項目では、目的、計画、意志の3つに分けて、学修計画書で書くべき内容をわかりやすく解説していきます。

学修の目的

はじめに、大学で何を学びたいのかという「学修の目的」を記載します。

ここで重要視しなければいけないのは、学修の目的が明確に書かれているかどうかです。卒業後の将来展望を含めて記載する必要があるため、自身の言葉で端的に表現するようにしてください。

学修の目的は学修計画書における最重要項目です。そのため、基本的なアウトフレームに関しては以下の流れで構築するようにしてください。

  • 大学を経て将来どのような職業に就きたいのか
  • どうしてそのように考えているのか
  • 大学での学修がどのように役立つと考えているか
  • 社会に出てどのように活躍していくか

大学生活を経て将来的にどのような職業に就いているかのストーリーを描くイメージです。

学修の目的を考える際は、必ず大学が掲げているアドミッションポリシーを参考にしてください。他にもパンフレットやホームページ、実際に見学へ行った際に感じたことも大切です。

重要なのは、目標としている職業に就くためになぜこの大学を選んだのかを伝えること。文章でいうところの掴みの部分なので、端的に自分の気持ちを包み隠さずに伝えてください。

目標が多くなりどうしてもまとめるのが難しいという場合は、まず上記のアウトフレームに沿いながら箇条書きで自分の気持ちをまとめてみてください。

理想は300から400文字程度ですが、少しばかり多くなる分であれば問題ありません。

学修の計画

続いては、自分が目指す目的へ向かうためのプロセスを記載する「学修の計画」です。

ここでは、これまで「学んできたこと」と、これから「学びたいこと」を書きます。積極的に大学で学びたいという姿勢をアピールする部分です。

書き方のポイントは、「目的のためのプロセスを明確にする」という点です。

たとえば、自分が将来的に就きたい仕事に関連する資格の取得を何年までに達成するなどの目標を掲げましょう。1年から4年それぞれに分けて学修計画を立てるのが重要で、1年次はこれ、2年次はこれという具体的な目標を記載するようにしてください。

  • 1年次⇒幅広い知識とスキルを身に付ける
  • 2年次⇒専門の講義を通して研究テーマをブラッシュアップする
  • 3年次⇒所属したいゼミなどを具体的に説明する
  • 4年次⇒現時点で考えられる結論を説明

上記は一例ですが、まずは学年ごとにある特徴を頭に入れます。

そのうえで、重要度や時期を考慮しながら、どのような順序で取り組んでいけば目標を達成しやすくなるかを考えていきます。

具体的に、自分が入学してどう勉強すれば目標に近づくかをイメージすることが重要です。

学修継続の意志

最後に書く「学修継続の意志」では、最後までやり遂げる意志があることをアピールします。

選抜試験では審査員へ与える心証が重要です。「この学生なら最後まで一生懸命やってくれるはず」と思ってもらえるように、自分の言葉で素直な意思表示をすることが重要です。

卒業まで学ぶ意志を伝える項目ですが、熱量を持って伝えてください。文字数は300文字程度に抑えると好印象を与えることが可能です。

評価の高い学修計画書を書くために押さえておくべき3つのポイント

 

最後に、ライバルに差を付ける学修計画書の書き方を紹介していきます。ポイントを押さえて書けば決して難しいものではありません。

学修計画書の書き方で悩んでいる方は以下のポイントを参考にしてください。

字は濃く丁寧に書く

字は濃く丁寧に書いてください。

書類審査で重要なのは審査員へ与える印象です。薄い字で書いてある学修計画書は弱気な印象を与えてしまい、どれだけいい文章を書いていても最後まで読ませる引きはありません。そのため、鉛筆ではなくボールペンを使い濃く書くようにしてください。

濃く書くだけではなく、丁寧な文章を意識するのも重要。乱雑な書き方では人間性を疑われてしまうため、誤字脱字がないのはもちろんですが、一文字ずつ丁寧に記載してください。

また、「ですます」や「である」が統一されている文章であるかどうかも重要です。

学修計画書は読み物なので、ある意味ひとつのストーリーとして審査員へ全文を読んでもらわなければいけません。その際、口調が統一されていないと「読みにくい」という印象を与えてしまいます。

他に間違えてしまう文章表現として多いのは、話し言葉や略語を使ってしまうというもの。「僕」ではなく「私」、「大学」ではなく「貴学」と記載するなど、話し言葉にならないように丁寧な文章表現を利用することを意識してください。

役立つツールを活用する

学修計画書を作成する際は、さまざまな役立つツールの利用をおすすめします。

  • カリキュラム
  • カリキュラムポリシー
  • ディプロマポリシー
  • シラバス
  • ホームページ

とくに学修計画書を作成する際に「シラバス」は欠かせません。

シラバスとは、大学が講義の内容やスケジュールをまとめている授業計画資料です。学修計画書では「学修の計画」の項目で、入学してからの目標や学修の進め方を説明しなければいけません。

シラバスには具体的な授業の進め方が記載されているため、読み込めば自分の学修予定を作る際に役立つのです。最近は各大学がWeb上でシラバスを公開しているため、必ず学修計画書を書く前にチェックするようにしてください。

他にも、具体的に学びたい研究室やゼミが見つかった場合は、各研究室で公開しているホームページのチェックも欠かせません。具体的な研究テーマや実績を理解していれば、学修の目的を書く際にも困りません。

カリキュラムは学年ごとの科目一覧表、カリキュラムポリシーには授業の方針、ディプロマポリシーには学科の目標が記載されています。これらも事前に読み込んでおくことで、学修計画書の説得力を強固にすることができます。

自分一人で完結しない

学修計画書は試行錯誤しながら作り上げていくものです。

自分が今まで勉強してきたことや将来の目標を書くのが学修計画書なので、難しいものではないと思っていませんか?しかし、1日で書きあげられるほど簡単な書類ではありません。

学修計画書は、まず書く内容を考え、実際に書いてみて、添削してブラッシュアップしていくという工程を繰り返しながら完成させていきます。

その際に重要ポイントとして挙げたいのが、自分一人だけで完結させてはいけないという点です。

一人で考えるのではなく、信頼できる友人や先生、家族に必ずチェックしてもらうようにしてください。最終チェックだけではなく、自分自身の性格なども身近な人の方が把握している場合が多いため、客観的な視点も必ず参考にするようにしましょう。

総合型選抜の専門塾では、カウンセリングを行い専門的なアドバイスを貰うこともできます。塾へ通っていなくても、頼れる誰かに学修計画書をチェックしてもらうことは必ず実践してください。

まとめ

学修計画書で書くべき内容を押さえておくべきポイントを紹介していきました。

総合型選抜では学修計画書だけではなく、自己紹介書と志願理由書も提出しなければいけません。学修計画書は志願理由書を「より具体化したもの」で、自己紹介書は今までの自分とこれまでの自分をアピールする書類です。

どれが重要ということはありません。総合型選抜では提出する全ての書類が重要です。

3種類の書類は内容が重複しないように気を付け、それぞれの役割を理解しながら書き進めてください。学修計画書の重要性や書き方については、本記事を参考にしていただければ幸いです。