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幸手市の3つの魅力と地域包括ケアシステムへの取り組みについて紹介

  • 幸手市コラム

幸手市は、埼玉県の北東部に位置する自然豊かなところです。古くは宿場町として栄え、今でも400年前の道が当時のままの道幅で残っているなど、歴史を感じられる場所がたくさんあります。

また、1960年代からは住宅都市としても発展してきており、都心からほど近くにありながらも、どこかほっとするような懐かしい風景を見ることができます。

近年テレワークなどの普及により、家族で都心から離れて郊外や地方へ移住する方が増えていることもあり、歴史と近代文化が共存する幸手市は、子育て世代から注目されているのです。

この記事では、幸手市の魅力と地域包括ケアシステムへの取り組みについてご紹介します。幸手市への移住をお考えの方や、住みよい街をお探しの方はぜひ最後まで読んでみてください。

幸手市の概要

関東平野のほぼ真ん中に位置する幸手市は、埼玉県にある人口約50,000人の市です。全国で唯一「幸」という漢字が市の名前に使われています。

面積は33.93平方キロメートル、市域は東西8.8キロメートル、南北7.6キロメートルで、なだらかな平地と小高い台地が両方存在しているのが特徴です。

江戸時代には、日光御成街道と日光街道の合流点にある宿場町として幕府より継立を命ぜられ、幸手宿として栄えました。

現在では、市の西寄りには東武日光線と国道4号が縦断しており、幸手駅や日光街道、国道4号線を中心として市街地が広がっています。また、市の東側には水田地帯があり、その中には集落が散在しています。

幸手市の3つの魅力

「幸せなら手をつなごう」をスローガンに掲げる埼玉県幸手市。近年移住を検討している方からも注目を集めている幸手市ですが、具体的にはどのような魅力があるのでしょうか。

ここでは、幸手市の3つの魅力をご紹介します。

子育てがしやすい

幸手市は、埼玉県の中でも治安がよいことでも知られています。

行政でも子育てに力を入れており、中学校卒業まで医療助成費がある、学校給食費2人目以降は補助が出るなど子育てがしやすい街だといわれています。

以下は、幸手市で行われている子育て支援の例です。

  • 1歳未満の子どもがいる世帯には紙おむつ用ゴミ袋支給
  • 0歳〜中学生の子どもの入院、通院が無料
  • 小学校の給食費が2人目半額、3人目無料
  • 出産後、助産師や保健師が家庭訪問
  • 市内に子育て支援センターが3か所
  • 学童保育が充実

幸手市では、子育て世帯の経済的支援だけでなく、家庭訪問や支援センターの充実など、見守りにも力を入れています。

また、保育園の待機児童もいないため、働きたいお母さんが困ることもありません。保育所の事前申し込み制度が導入されているため、出産後再就職したいお母さんも安心です。

さらに、不妊検査を受けた場合は最大2万円を給付(1回のみ)。不妊治療を受けた場合は最大10万円の補助を行っています。現在子育てしている世帯だけでなく、これから子どもが欲しいカップルにとって嬉しい支援がたくさんあるのも幸手市の魅力です。

都心までのアクセスがよい

幸手市には、東武日光線が通っています。幸手駅から都心部までは電車1本と、アクセスが比較的よいのも魅力です。都心まで電車で約1時間半と多少時間はかかりますが、通勤時間でもそれほど混んでいません。

幸手駅は、以前は東口のみでしたが、西口が開設され駅舎も改装されたため、以前よりも便利になりました。駅周辺には駐輪場や駐車場、バスも運行されているので、駅まで行くのに困ることはないでしょう。

2駅離れた東武動物公園からは、東武スカイツリーラインに乗り換えることもできますし、栗橋駅からは宇都宮線、湘南新宿ラインも利用できます。

また、電車のほかにも都心へスムーズに移動できる圏央道が通っており、横浜や厚木、八王子、つくば、成田、木更津などの都市やアクアライン、東京外環自動車道などへのアクセスも良好なため、近年マイカーで都心へ通勤する方も増加しています。

自然が豊か

幸手市の最大の魅力は、自然豊かなロケーションです。

「権現堂堤」には、約1,000本のソメイヨシノが中川に沿って植えられていることから、有名な桜の名所として全国的にも有名です。

この地を流れる権現堂川は、昔から暴れ川として知られており、住民たちは度重なる水害に悩まされてきました。そこで水害から街を守るために堤防として築かれたのが、現在の権現堂堤なのです。

現在、権現堂堤に植えられている桜並木は昭和24年に植えられたもので、当時は3,000本ありましたが、現在では約1,000本が人々の目を楽しませてくれています。

また、幸手市は昔から稲作が盛んで、今でも東エリアに広大な田園風景が広がっています。青々とした景色を眺めているだけで、日常の忙しさで疲れた心も癒されそうですね。

幸手市の地域包括ケアシステムへの取り組み

幸手市は、住みやすい街として近年話題となっていますが、実はその背景には幸手市が取り組む「地域包括ケアシステム」があるとされています。

地域包括ケアシステムとは、地域が一体となり高齢者や要介護者を支えるシステムです。住み慣れた街で最後まで自分らしく生活できるように、地域の人々が助け合う体制のことをいいます。

幸手市は、人口100,000人あたりの医師数が全国で最も少ない埼玉県にあります。その中でも「幸手モデル」と呼ばれる、地域包括ケアシステムを作りあげたことで、全国的に有名になりました。しかも、この取り組みは行政ではなく地域住民が主体となって行われている点も、注目を集める理由なのです。

では、幸手市の住民が取り組む地域包括ケアシステムとはどのようなものなのでしょうか。

介護予防

幸手市では、医療者が地域に入り込み地域住民とのつながりを作り、健康増進につなげています。たとえば、地域活動の場に看護師を派遣し医療や健康、生活にまつわる話をしたり相談に乗ったりすることで、介護が必要になる前に病気に気づけるケースもあるのです。

ほかにも、幸手市では以下のような介護予防事業を行っています。

  • 介護予防出前講座
  • 介護予防サポーターの養成
  • 軽度認知障害スクリーニングテスト
  • 認知症予防教室

幸手市では介護予防の普及啓発や支援サポーターの育成、簡単な記憶力チェック、認知症予防相談などを定期的に行い、住民全体の介護予防に取り組みに力を入れています。

また、幸手市と日本保健医療大学が共同研究した健康長寿埼玉モデル「目指せ毎日10000歩運動教室」の成果を発表するなど、地域の学校も参加して住民の健康増進や介護予防につとめています。

生活支援

幸手市では、生活支援コーディネーターへの相談の場を作るなどの支援を行っており、買い物や食事など高齢者が日常生活で困っていることをサポートします。

生活支援コーディネーターは、以下のような役割を担っています。

  • 地域の活動を市民へ紹介
  • 高齢者が困っていることや課題について話し合う場所を作る
  • 住民ボランティアなどの育成
  • 高齢者の社会参加を応援
  • 地域住民に対し、高齢者の環境を整えるための説明会や勉強会を開催

また、高齢者の生活を支援するサポーターの養成を行っています。生活サポーターは、市が指定する訪問サービス事業者に従事し、高齢者の生活を助ける活動を行います。

家族介護者の支援

以下は、幸手市で介護者の経済的、精神的負担の軽減を目的として行われている取り組みです。

  • 紙おむつの支給
  • 在宅介護者手当
  • 小型タグの貸し出し

介護者の多くは、なんらかの悩みやストレスを抱えているといわれています。そこで幸手市では、無料での紙おむつ支給や行方不明になった高齢者の早期発見ができる小型タグの貸し出しなどを行い、介護者を支援しています。

在宅介護者手当は、幸手市に1年以上住んでいる重度心身障害者を在宅で介護している方に支給される手当です。

支給される手当の額は月額10,000円で、条件に当てはまれば毎年度4月、8月、12月に前月分までが支給されます。

認知症総合支援

幸手市では、認知症地域支援推進員を配置し、認知症の方やご家族の相談支援を行っています。認知症地域支援推進員は、地域住民の方に認知症を理解してもらったり、医療機関と患者さんをつないだりするのが役割です。

また、そのほかにも認知症についての理解を深めるために認知症サポーター養成講座や、情報交換ができる場を設けるなど、さまざまな活動を行っています。

在宅医療、介護連携推進

幸手市では、医療と介護の両方を必要とする高齢者が心地よく生活できるように、連携した医療と介護を提供する取り組みを行っています。

以下は、幸手市で行われている在宅医療、介護連携推進事業の例です。

  • 相談支援および関係機関とのネットワークづくり
  • 研修会の開催
  • 医療および介護関係者との連携

医療や介護について相談できる北葛北部医師会在宅医療連携拠点「菜のはな」を設置。電話による相談のほかにも、地域包括支援センターでの相談も受け付けています。

さらに、定期巡回型保健室「暮らしの保健室」では、地域の集まりの場を看護師が巡回しています。

暮らしの保健室を設置することで、潜在的に医療を必要としている方と医療機関を繋げるだけでなく、将来の医療機関の負担を軽減する効果があるのです。

まとめ

幸手市の魅力と地域包括ケアシステムへの取り組みについてご紹介しました。

幸手市は、自然豊かで住みやすいだけでなく、地域住民がほどよい距離感を保つことでファミリーからお年寄りまで、すべての世代の方が生き生きと生活できる街です。

買い物をするにも困らず、都心へのアクセスも良好。幸手市は、子育て世帯も住みやすい街だといえるのではないでしょうか。

また、今回ご紹介した「幸手モデル」には、さまざまな形で住民や行政、病院、企業、学校まで携わっており、これから加速する少子高齢化に対応する先駆けともなるシステムです。

幸手市に興味のある方は、ぜひ本記事を参考にしてみてくださいね。