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学校推薦型選抜とは?準備に必要な5つのこと

  • 入試情報

2021年度から文部科学省による入試区分の名称変更が行われ、従来のAO入試は総合型選抜に、推薦入試は学校推薦型選抜に名前が変わりました。

学校推薦型選抜は一般選抜とともに大学入試の柱となる入試方法で、私立大学や短大において、学校推薦型選抜で入学する方の比率が増え続けています。

この記事では、学校推薦型選抜についてと、準備に必要な5つのことをご紹介します。

学校推薦型選抜の仕組みを理解し、受験するために必要な準備を整えましょう。

学校推薦型選抜とは

学校推薦型選抜では、高校時代の勉強やスポーツ、課外活動などの実績を評価します。この一定の評価にプラスして、学校長の推薦があることが出願条件となります。

学校推薦型選抜には大きく分けて公募制と指定校制があります。

ここでは、公募制と指定校制の違いや選考方法、出願に必要な書類など学校推薦型選抜の基本をご紹介します。

公募制

大学ごとに出願資格があり、出身学校の校長から推薦された生徒が受験可能なのが公募制です。

公募制には「公募制一時推薦」と「公募制特別推薦」があり、公募制一時推薦は同じ大学の別の学科を複数志望することができない場合が多く、評定平均は4.0程度必要となります。

さらに、英語の外部試験で高スコアを求める大学も増えており、日々の勉強をしっかり取り組んでいて、各科目の成績が平均的に高い方へおすすめの受験方法です。

公募制特別推薦ではスポーツ、文化活動、有資格などの実績が評価され、成績基準がない場合もあります。

部活動や委員会活動などを積極的に行っており、優れた実績があるという方は公募制特別推薦がおすすめです。

指定校制

指定校制は、大学が特定の高校を指定して実施する入試の方法で、3年間の評定平均が4.5以上を求められる厳しい条件があります。

さらに、英検2級程度以上の外国語資格や、部活動、委員会活動などにどの程度貢献していたかも加味されます。

指定校制は、浪人生の受験は認められておらず、専願に限られるという特徴もあります。

また、高校と大学の信頼関係によって設けられている制度のため、高校の前年度の一般入試結果や、過去に指定校制で入学した生徒が、大学でどのような成績を収めているかも大事な基準となります。

選考方法

選考方法は以下の方法があります。

  • 書類選考
  • 小論文
  • 面接
  • プレゼンテーション
  • 学力試験
  • 大学入学共通テストの活用

選考は書類選考、小論文、面接が主体となっており、受験生の思考力、表現力、個性、人柄などを見て判断する大学が多いです。

書類選考は在籍校が提出する調査書のほかにも、入学動機を自分自身の言葉でまとめる自己推薦書などが利用されます。

そのほかにも、大学入学共通テストの結果を活用するケースや、独自の学力試験を実施するケースもあります。

出願に必要な書類

出願には学校が用意する書類と、自分で用意する書類があります。それぞれ詳しくご紹介します。

調査書(学校が用意)

調査書には以下の項目が書かれています。

  • 各教科の学習記録…学習した教科と科目の成績、修得した単位数
  • 各教科の学習成績の状況…教科ごとの評定平均値
  • 学習成績概要…全体の学習成績の概要を5段階で評価
  • 全体の学習成績の状況…すべての教科の評定平均値
  • 出欠の記録…在学中の授業日数、出欠日数
  • 特別活動の記録…部活動、委員会活動、学校行事への参加など

評定平均が出願基準となる学校が多く、出願基準を満たしている調査書が必要となります。

学校長推薦書(学校が用意)

公募制では学校長の推薦が必要となります。自己推薦書と同じ内容にならないように事前に担任の先生に記載して欲しい内容を伝えておきましょう。

自己推薦書(自分で用意)

入学を志望する理由をまとめたもので、エントリーシートや志望理由書と呼ばれることもあります。大学に自分をアピールする手段となることや、面接でも自己推薦書の中から質問されることがあることから、志望動機とともに自身の強みを理解して記入する必要があります。

語学試験の証明書(自分で用意)

TOEICやTOEFL、英検を受けた際に取得した証明書の原本を出願時に提出する必要があります。証明書には有効期限があるため、有効期限内のものを提出するようにしましょう。

学校推薦型選抜に必要なこと

学校推薦型選抜で受験を考えている方は、早めに動き出すことが必要となります。

ここからは、学校推薦型選抜に必要なことをご紹介します。

情報収集

まずは、入試についてしっかり情報を集めるようにしましょう。

ここまでお伝えしてきた通り、大学によって小論文と面接を組み合わせているケース、学力テストがあるケースなど多種多様です。

大学の資料請求やホームページの募集要項をよく読み込み、受験に向けて何の対策をするべきなのかを把握しておきましょう。

また、書類の提出期限や試験日程などもホームページで把握できるため、早めに確認してスケジュール管理をするようにしましょう。

高い成績をキープすること

学校推薦型選抜は、学習成績の状況で一定の成績が求められることがあります。

評定平均は、高校1年生から高校3年生の出願直前までの、全成績の合計を科目数で割った数値なので、高い成績をキープする必要があります。

そのため、定期テストでよい成績をとることのほかにも、提出物をしっかり提出する、出席日数の基準を下回らないなど、基本的なことを徹底する必要があります。

外部試験資格の取得

2020年度から推薦入試(学校推薦型選抜)において、外部検定を利用する私立大学が増えています。

出願資格として利用されるため、出願前に必ず大学が指定する外部検定の資格を取得しておく必要があります。

出願資格としてだけではなく、得点換算(英語の学力検査へ得点)や加点(点数化して評価に加点)のような利用方法もあります。

学校推薦型選抜で使用できる外部検定は以下が一般的です。

  • 英検
  • TEAP
  • IELTS
  • TOEIC
  • TOEFL
  • GTEC
  • 日商簿記検定
  • 漢検 など

英検でいうと、2級相当の資格が必要となるケースが多く、学校によって使用できる資格が異なるため、どの資格を取得するべきかという事前の情報収集が必要です。

さらに、出願前に資格取得を間に合わせるためには、いつが最後の試験になるのかという逆算をする必要もあるため、早めに準備しておくことが重要です。

学校内外の学習以外の活動

自己推薦書に書けるような自分をPRできる学業以外の活動を行いましょう。

以下のような活動が有効です。

  • 部活動
  • 生徒会活動
  • 委員会活動
  • 学校行事への積極的な参画
  • 海外留学
  • ボランティア活動 など

これらの活動をただ行うだけではなく、仲間と協力して何かを成し遂げ、結果を残し自分の経験として蓄積することが重要です。

自己推薦書に書いた内容が面接で質問されることもあるため「部活動を頑張った」「体育祭で応援団に立候補した」などの端的な内容ではなく以下のような具体的な内容を話せるような活動内容が理想です。

「部活動でマネージャーを3年間努め、チームワークを大切にしながらプレイヤーを勝利へ導くために、全力でプレイヤーのサポートや健康管理を行った結果、県で3位の成績を収めることができた。チームで動くことの大切さや、サポート精神を学んだ」

このように、活動を通じて出た成果や自分がどれだけ成長できたかを、自分の言葉で話せるようにしておきましょう。

小論文対策

小論文は、基礎的な学力を判断することに使用されるため、学力試験と同等と考え準備する必要があります。

小論文が試験にあるとわかっている方は、高校3年生の4月からは小論文の準備をはじめるようにしましょう。

自分の意見や主張を、しっかりした道筋のもと、文章にすることが必要です。

小論文には、以下のようなさまざまな出題形式があります。

  • テーマ提示型…論述するテーマのみが示されていて、テーマに沿って意見論述を行う
  • 課題文型…与えられた課題文を読み、設問内容について記述する
  • データ型…図表を読み取って、設問内容について記述する
  • 教科書密着型…特定教科の学力試験的な問題 など

これらに該当しない場合もあれば、複合的に出題されるケースもあります。

出題形式は、テーマ型が最も多く、続いて課題文型となりますが、英文が出題されるケースもあるため、英語力も必要となります。

小論文で気を付けることは以下です。

  1. 段落構成を考える
  2. 設問に沿って意見を書く(大きくズレた返答をしない)
  3. 意見の根拠を説明する

課題文やデータなどの問題点を正確に読み取り、根拠のある意見を論理的に述べる必要があります。

志望する学部や学科に関連するテーマのコラムや、新書を読んでおくと「〇〇氏の著書によれば…」という引用が可能となるため、それらを読み込むことをおすすめします。

一般的な文章を書く際に気をつけるべきことは、徹底して頭に叩き込むようにしましょう。

たとえば、漢字の間違いや送り仮名の間違いは致命的です。

また「ら抜き言葉」や会話調の表現もNGとなるため、練習を重ねて塾の先生や学校の先生に確認してもらうようにしましょう。

まとめ

学校推薦型選抜には、主に公募制と指定校制の2つが存在します。

大学や学部、学科ごとにさまざまな出願条件があるため、事前にホームページで確認するなど、準備を怠らないようにしましょう。

書類審査に必要となる自己推薦文や、小論文の準備は早めに始めることをおすすめします。

文章が苦手な方や、自信がない方は、練習することで文章力を身に付け、どんな課題でもこなせる力をつけることが必要となります。

以前に同じ大学を受験した先輩の声を聞いて、どのような小論文を書いたか、どのような面接内容だったかを把握することも重要です。

国公立の学校推薦型選抜には、大学入学共通テストを課す場合もあります。一般選抜のように5教科7科目が必要となるケースもあるため、念入りに準備をしましょう。

ぜひこの記事の内容を参考に、学校推薦型選抜の準備へ向けて取り掛かってみてください。